第8話

「?そんなやついたか?」

「ちょっ……おま……松橋だよ。覚えてないのか?三学期にあった……」

「生憎時間なんだ。忙しいがあとにしてくれないか?」

「おい、これだけ言うけどな、松橋さ……」


「自殺したらしいんだ。」


「……は?」

思わず間抜けな声が出た。

打ち込んでいた資料も、思わず手を止め、空いた手で電話機を持ち替えた。

「ていうことで、葬式だよ。詳しい日程は後でまた電話するわ。」

「……ああ。」


ピッと、電話を切り、静かに音を立てぬよう置いた。

松橋拓哉

かつて同級生で、皐月の元恋人。

学生時代、皐月を俺から奪った松橋を俺は



殺してしまったのかもしれない。

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