第7話

懐かしい夢を見た。

ちょうど十年前の記憶。

自分にとって勉強は非常につまらないものの一つだった。

勉強、勉強、勉強。

母が非常に教育熱心な人だったからだろうか。

幸い覚えたり、応用などは大の得意だったため、学校の勉強は基本的に吸収が早い方だった。

わからない授業は無く、躓きかければその日は寝ないで勉強をした。

母が教育熱心だったのは、医者でおそらく名を知らない人はいないであろうほど有名だった父がいたからだろう。

プライドの高さと嫌味をいうところも自分は受け継いでいるらしい。

基本的に学業は完璧だったが、気づけば何人か離れていった友人はいた。





「社長、お電話です。」

秘書に言われ電話を取ると

「もしもし」

「あぁ、日渡か?」

大学時代の友人、鷹取だった。

「久しぶりじゃないか鷹取。俺は今仕事中なんだ。手短に頼む。」

「おいおい、待ってくれよ、今出たばかりだろ?」

「生憎、俺はお前らみたいに落ちこぼれでないんでな、暇じゃないんだよ。」

イライラしつつ言うと、受話器の向こうから深い溜息が聞こえた。

「……あんま言いたくないんだけど、お前ほんとその見下すのやめた方がいいぞ。」

「ホントのことだろ。努力しなかったお前らが悪い。」

「……はぁ、まあ手短にいうけど、高校時代にいただろ、お前が……」

「なんのことだよ。」

「気に入らないって言ってたあいつ。」

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