第12話帰ってきた日常(部活編)

五月というのはめんどくさい。つまるところ漢字にもあるようにうるさいと書いて五月蠅いと書く。要するにまるで蝿のようにまとわりつかれるそれが五月というものなのかもしれない。私、霧飛 羽矢人は今とてもめんどくさいことに巻き込まれている。今はまだ五月の初め。最初からこんなことがあると正直この先が不安になるというものだ。何せ五月蠅いである。さて、俺が何でこんなに悲観しているかというとかれこれ約1週間前に遡る…


クラス対抗戦から早1週間。俺の同居人と俺の元許嫁はしょっちゅう人の部屋でどんぱちしている。何を争っているかは知らないが後片付けをするのは何故か決まって、俺なんだよなあ。理由に関していうなら多分一生わからないと思う。なぜならいつもこんな様子だからね…

「響ちゃん!私のプリン食べたでしょ!」

「優香。人様の冷蔵庫に入れとくのが悪い。」

この時点でいやいやまてお前らと言いたくなる。プリンを人の冷蔵庫に入れた結果食べられて怒ってる?逆恨みじゃねーか!それに自分家を人様とか呼んじゃうあたりどうなのよ…

「優香。私の方が食べるの早かった。」

「残念だったね。響ちゃんより私の方が0.011食べるの早かったよ。」

「優香…あなたとは戦いたくなかった…でも仕方ない…」

そう言うと響華は腰の銃に手をかけた。

「響ちゃん…やる気なの…」

優香も腰の刀に手を構えた。

「ちょーっと待ったー!君たちは何?戦争でも起こす気なのかい?こんなにうるさくしてると…はっまさかこの足音は…」

「まさか…奴が…」

「ちょっと〜響ちゃんも羽矢人もどうしたの?」

「優香…悪いけど、卵切らしているから買ってきてくれないか?」

「いいけど。なんで?この部屋には冷蔵庫がないのに…」

「いいじゃないか〜優香〜。ほら優香は可愛いからさww」

「まっまあはっ羽矢人が可愛いっていうならまあいいか〜えへへ〜」

そう言って優香は俺たちの部屋を出て行った。お気づきだろうがうちの先生は怒ると怖い。ましてやこんな夜中に寮をほっつき歩いているとどうなるか…それは神のみぞ知ると言ったところだろう。優香…達者でな…

すると廊下からキャーという叫び声とごらああ待ちやがれ貴様あという怒鳴り声が聞こえた。

「優香…今までありがとう。」

「ああ…あいつのことは忘れないよ…」

そう言ってベッドに入ると…

「羽矢人。」

「どうした?響華…ってうわあああ!」

響華は裸にシャツを着ただけで俺のベッドに潜り込んで来た。

「羽矢人が俺って言い出したり私は羽矢人の変化に気づいてる。つまり私は羽矢人を常に見ている。なのに羽矢人はわたしを見てくれてない。なんで私には可愛いって言ってくれないの?」

響華は更に体をくっつけて来た。このままだと色々とまずい…あんなところやこんなところが直に触れて…

「そっそんなことはないぞ!響華は世界で一番可愛いと思ってる。」

「本当?」

「ああもちろんさ。」

危ない危ないこのままだと俺は変態のレッテルを貼られるところだったぜ…

「じゃあその証明に今日は一緒に寝る。」

「やったー!1人で寝れる…ってあれ?響華何を言って…」

「zzz」

「何でこうなるんだよーっっ!!」

ああ俺の青春ありがとう!そしてさようなら清廉潔白な俺…

その日は全くねれない上に朝起きたら先生のデスブレイクを食らって死にかけた。

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