第3話初戦

「おーい待てよ。羽矢人。」

誰だ僕を呼ぶのは。今は忙しいというのに。「羽矢人!待てって。今のお前であの鎌ヶ崎を止められるとでも思ってんのかよ。」

「ああなんだ智弘かよ。」

風部 智弘こいつは中学の時から一緒の親友で

忍術を得意とする7傑風部家の長男だ。

「あの7傑鎌ヶ崎家のやつに過去のお前なら止められるかもしれないが…いや今のは忘れてくれ。とりあえず俺も加勢する。」

「7傑のお前が?なんで今更…まあ加勢してくれるならいいか。一緒に来てくれ。」

「お前まさかとは思うが7傑にそんなに反応するなんて自分のこと忘れてるんじゃ…」

「なんか言ったか?」

「嫌なんでもない。早く行かないと会長があぶねーな。」

僕たちは決闘場へと急いだ。

だかその会場にいたのは紛れもなくボコボコのフルボッコ状態にされた会長と銀色に光った腕に(おそらく義手)黒光りする鎌を持った鎌ヶ崎 壊疾だった。

「おい!鎌ヶ崎お前何してる!決闘では肉体に傷をつけるのは反則なはずだろ!」

「お前は…そうか羽矢人か。お前本当に記憶喪失なんだな。それに隣にいるのは風部か部が悪いな。わかったお前羽矢人1人なら戦ってもいいぜ。お前が勝ったらこの学園を退学してやる。だが負けたら俺の仲間になってもらおうか。」

「記憶喪失かなにか知らないけど乗ってやる。お前を止めるために。」

「いいぜじゃあ始めようか。かかってこい。」

「行くぜ!うおおおお!」

やつの鎖鎌はリーチが長い上に重量があるせいで一撃が重い。だが、スピードなら負けない。奴がついた瞬間に懐に潜れれば一発入るな。そう思い、まずは鎖鎌を突かせた瞬間に懐に入った。

「もらった!」

「やるじゃねーか。だが忘れてもらっては困るな。鎌ヶ崎流鎌術 リバース。」

そう言った途端、奴の鎌は唸りを上げながら僕の背中へと戻ってきた。

「何っ。」

「忘れちゃ困るぜ。羽矢人君よ。俺の鎌は普通の鎌と違って自由自在がテーマだからなあ。」

「いやまだ終わらせない!せやああああ!」

そう言って僕は体を捻らせやつの背後に回った。

「今度こそ!もらった!」

「だーかーらー。甘いって言ってんだろうが!」

やつの鎌はぴったりと僕の背を追っていた。

「鎌ヶ崎鎌術 チェイス。今度こそおしまいだ。と言いたいところだが今の弱すぎるお前に勝ってもつまんないな。羽矢人俺は待ってるぜお前が再び7傑に戻るのをな。あーっはははは。」

そう言いながら奴は姿を消した。

「あいつは!あいつはどこに?」

「羽矢人。お前に言いたいことがある。放課後中庭に来い。」

「だけど智弘今は奴を追わないと。」

「残念ながら鎌ヶ崎の言う通りだ。今のお前じゃ相手にもなれない。やめろ。」

「くっくそ。」

「それよりも今は会長を助けないといけないな。保健室まで運ぶぞ羽矢人。」

「ああ。」

こうして鎌ヶ崎との初陣は終わった。

だが今はまだ知らなかった。あの2年前のあの事件が幕を落としていなかったのを。

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