第2話断片的な記憶

「はあっはあっはあっはあ。」

「羽矢人!大丈夫?羽矢人どうしたの?」

心配そうに覗き込む幼馴染。そうか僕は入学式で…

「ああ大丈夫だよ江華。心配かけて悪かったな。ごめん。」

「いいよ。私は羽矢人が無事ならそれでいいんだよ!無事でよかった。本当に…。ところでどうして羽矢人は鎌ヶ崎君のことでそんなに取り乱していたの?」

「わからない。わからないけどあいつの名前を聞いた時なぜか胸騒ぎがしたんだよ。それで気づいたら倒れてて。」

「そっか…。羽矢人はさ知りたくない?」

「鎌ヶ崎のことについてか?」

「そう。」

「知りたいよ!知りたいけどさ今はまだやめたほうがいい気がするんだよ…」

その時だった。急にドアが開いて1人の女子生徒が保健室に入ってきて

「会長さんが!生徒会長さんが決闘の末負けて重症を負ってる!それどころか鎌ヶ崎君が暴れて…」

「なんだって!江華、君はここで待っていてくれ!僕は鎌ヶ崎を止めてくる!」

「駄目!羽矢人も私といてよ。じゃないと…」

「駄目だ江華お前まで巻き込むわけにはいかない!ここで待ってろ。」

そう言って僕は飛び出した。正直勝てるかわからないが、あの時ふっと頭をよぎったあの記憶がある限りあいつは鎌ヶ崎は放って置けないとそんな気がした。

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