第3話 手紙
俺たち、元
東京にある
懐かしの仲間たちとの再会。俺は感無量だ。
まるで、昨日のことのように、いろんな思い出があふれてくる。
よく、藤崎
くらがりが好きな
その倉敷の顔が・・・よく見えない。
俺は、横から倉敷の顔をのぞきこんでみる。ん・・・?
「こんばんみー!!ベロベロバァーーー!!!」
「う、うわぁぁぁ?」
俺はびっくり
室内に、みんなの爆笑がこだまする。
「んも~、びっくりするじゃないか、心配かけやがって・・・」
「すみませ~ん先輩。久しぶりーってことと、出所記念に、サプライズを・・・」
「・・・相変わらずだな。倉敷」
倉敷が元気で何よりだった。罪は、洗い流して明るさだけが残ったか。
―――倉敷充は、俺が大学在学中に、問題を起こしたのだ。
サークル仲間と
旅館で、彼は部員だった大島と、山本を殺してしまった。
彼は、純粋で、明るくて、気のいいやつだった。そいつを突き動かしたのは、
大島たちが倉敷の恋人を間接的に殺したことだった。
悲しい勝利だが、俺の持ち前の
のだった。
そして、5年の
不思議と、違和感はなかった。
そのめぐる想いをさえぎるように、顧問の
「えー感傷にしたっているところ悪いが、
いま現在、就職して
まことにありがとう。」
元部員たちが拍手をする。もちろん俺もだ。社交辞令だがね。
「えー、しかし、これで全員でないことは残念だ。
集まっていない者も居る。諸々の事情で出られない、ということで
部長をつとめていた
みんな周りを見回す。わかっていても、確認してしまう。
「この席には出られない、ということで・・・えーじつは、
わたしは彼女からお手紙をあずかっています。」
ええっ・・・・と
「
「えー藤崎くん。」「あ、はい」
なぜか、奈那さんに手紙を朗読することを指名する先生。
奈那さんは、おそるおそる手紙を広げて、読む。
「よみまーす」
――――――――
元
今回、同窓会への誘いをお断わりさせていただき、まことに
でも、今は子育てに専念していと思っています。
私事ですが、今、わたしはとても幸せな家庭を
主婦として、家事を放り出して
両親に子供をあずけて出席して、みなさまの輪に入るのもいいのですが、
わたしは所詮、社会に出て働いていない身分。社会へ出て働いている人たちの
日々のねぎらいに、
そういう人たちだけで、ぜひ楽しんでいただければ、と思います。
最後に、
これからも在校生に引き継いでいただけますように。
最後に、峰岸良太部長、起業おめでとうございます。
I・C・C副部長
――――――
奈那さんが読み終えると、今一度、拍手
「そういうことだったの・・・」
「平手さん、結婚していいお母さんになってたんだね」
「平手さんなりの考えを聞いて、安心した。彼女の分も楽しみたいと思った」
と、さまざまな声が流れ、ちょっとした”平手ロス”となった。
「では、
カンパ――――――――イ!!!!
カチンカチン、とビールをついだグラスをいい音立てて合わせた。
今日は仕事なかったけど、これを飲むと、このために生きてんなーって感じがする。
平手副部長、すみませんが
そして、これからの
仕事の合間にするのも悪くない。どうせヒマだから・・・・なんて
だが、俺はおそらくこの仕事を手伝うことにしたのを、あとあと後悔
するだろう。
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