第2話 感無量と胸騒ぎ
俺は・・・今、自分と戦っているのか?
やめろ、やめろ・・・ただ、俺は能力を取り戻したいだけなんで。
どうしたらいいんだ。教えてよ・・・・母ちゃん。
――――最悪、いや、さいわい、俺は今あやめのとなりにいる。
俺の高校時代の同級生にして、陸上部の部員の俺と、マネージャーの
あやめの腐れ
俺らは、よーく分かり合える仲なのだ。
「
「ああ・・・ありがとう、そうする」
まるで、その時・・・部活でのやり取りのようだ。
俺はあやめから、駅のホームで買ったペットボトル飲料をもらう。
いったん、水分をとって気を落ち着ける。
俺はここのところ、ご自慢の能力・テレパシーが使えないのだ。
その悪影響で、体調もかんばしくない。病気ではないんだが、
たまに
今は、あやめのおかげで
なんにせよ、これから一応、
ともに青春をすごした、
東京
終点にも間に合う。
「どこかわかるか?」俺はまたも、あやめを頼って、声をかける。
「うん、ちょっと待ってよ。このまままっすぐ・・・
ああん、向きがかたむいちゃった!」
あやめは、タッチパネル式の携帯電話に映るGPS機能を見ている。
俺たちは南口から出てきたんだから、北も画面に書いていてあるなら、方角くらい
かくして、俺たちは25分かけてようやく、目的地に到着した。
「へ~ええ、もうへとへとだよ・・・・」
―――
東京都内の
I・C・Cの部長・
もらった。やはり、良平さんは顔が広いや。
「ねえ・・・」「ん?」
あやめが、静かに声をかける。
「――
「ああ・・・・・」
元部員のことを気遣っているようだ。あいつも、出席しているはずだ。
俺たちは、みょうな胸騒ぎでのれんをくぐる。
――――――――
「あ、来た来た。」
「よお銀河くん、
「あ・・・・お久しぶりです!」
峰岸部長に手招きされて、俺とあやめは予約部屋に入ってきた。
空間は和室で、緑のたたみが
たたみのふくよかな香りがただよい、
小鳥がとまっている水彩画の描かれた、だいぶ
さて、出席しているのは・・・
峰岸良太、藤崎
そして・・・・
ついでに言うと・・・顧問の
欠席は、
「あー、せんぱーい。ちょっと
と、関西弁でいうのは、お笑いを目指す下村だ。ほっとけや。
「その点、あやめ先輩はべっぴんでかわらへんなあ」
と、下村につづいて、彼とはコンビを組んでいる北島が言う。
「やんだー、北島くん、オンナ見る目ある?」と、調子に乗るあやめ。
しかし、なんだろう。みんなふざけているのに、この・・・わが家へ
帰ってきたような感覚。
ほっとするような・・・そんな
「さ、いいから座って座って~」
と、いつとなく元気にこちらへ誘うのは、奈那さん。
たぶん、俺の初恋の人だ。こんなこと言ったら、あやめは怒るだろう。
そして、
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