13話 異世界でのハーレムの男ってローブでも着ないと死ぬ呪いでもかけられてるの?
翌日。
俺たちは、朝の朝食を済ませるため。
大阪の通天閣へと来ている。
いやー、それにしてもだ。
他は全く別世界だが、なんで通天閣だけ通天閣してるんだよ。
そこは便乗して乗っかれよ!と、言いたいところだが、なんか安心している自分がいるな。
でも異世界だけあって、やっぱりなんか大分違う。
面影はあるけど、こっちの世界の通天閣の方が更にバージョンアップしてド派手だな…。
なんだよ。あの気持ち悪い、よくわかんない深海魚は…。
あ、ピリゲンさんもおる。
後ろにいる2人をよそに、俺が辺りを見渡しながら観光気分でいると、何やら揉め事?みたいなのがあり、男2人に女1人の、よくあるパターンな上に主人公のヒロイン的ポジションなやつね。
しかも女の子がポニーテールの美少女っていう。
とりあえず沖田に、あれ、どうする?と聞いてみると、満面の笑みで「どうするも何も、女の子は別に助けを求めてないし、それに手違いの場合だってあるじゃん。ただ道を聞いてただけとかさぁ。だから勝手な行動をとって新撰組の名誉を下げたくないから、僕は何もしないよ。」と、遠回しにめんどくさいから知らんと、言っているようにしか聞こえのだが。
それに、あれは100%道を聞いている風には見えん!
でも沖田の言う通り助ける義理はない。
俺は「そうだよな。それじゃあ、お店を探すか。」と言いつつ、お店を探し始めようとするが、ここで優しい桃が、え!助けないの?と、言い始めると「2人が助けないら、僕があの人を助けに行くよ!」と云うと、走って少女の所まで行ってしまった。
アイツ絶対俺たちよりも主人公の素質あるわ。
桃が少女を庇うように男たちに立ち向かうと、何やら2人の男は銃やら剣を取り出し、戦闘モードに突入してるんだが…。
俺は沖田に目線をやると、顔で助けに行けよ。と合図を出しやがった。
マジでコイツ1発殴っていいか?
まあ、このまま桃を放置できないし。
仕方ない、助けに行くか。
俺は桃と美少女の前に立つと、チンピラというか格好が蛮族のそれだな。
まあ、ここは穏便に済ませるのが無難だな。
「すいません。一体何があったかは知りませんが、ここで問題を起こすのは良くないと思いますよ。出来ればここは……」
俺が優しく話している途中で、前にいるガタイの良いおっちゃんが、うるせぇ、ガキは引っ込んでろッ!!!と言いながら俺の頬に剣をかすめた。
ツーッと生暖かい血が垂れ落ちるのと、俺の頭の中で何かがプツンと切れる音がした。
「子供と女の子相手に大人げないんじゃない?」
ここで目の前に黒い服を着たいかにもアレな感じな男が登場してきた。
「俺の仲間がどうも迷惑を…いや、変な奴らに絡まれたみたいだね。さて、どう落とし前をつけようかな。」
いや、そういう臭いセリフいいから。
というかこの厨二病の兄ちゃんのせいでさっきまでの怒りが消えたわ。
「なんだこの男?アニキ殺っちゃいましょうぜ!」
恐らく舎弟であろう、よく喋るかませ犬タイプが、さっきの大男に言うと、大男は、ニッと笑い。
あぁ、そうだな。と言いながら黒服の兄ちゃんに攻撃をするが、簡単に交わされてしまい。
相手の背後に回り、そのまま首あたりに剣を突きつけていた。
かませ犬は、グッと言いながら俺を人質にとりながら、このガキがどうなってもいいのか!?と言いながら俺の頭に銃口を突きつけた。
いやー、マジで今まで怒りを抑えてたが、もう我慢の限界……。
「おい、こっちが下手に出れば調子乗りやがって…ホンマいい度胸やなぁ。
今まで我慢しとったけど、もう無理ですわ。お前らのチ○カス捻り潰してやるから、覚悟せぇ。」
俺はそう言うと、チンピラの腕を刹那に掴み取り、そのまま背負い投げの如くチンピラを地面に叩きつけてやった。
チンピラは、グハッと、なんとも情けない声を出すと、俺はそのまま馬鹿力でチンピラを押し付けてやった。
よし、このままコイツを泣くまで殴り続けてやるかと思ったら、遠くの方からホイッスルを鳴らしながら俺たちの前まで来る、女2人組。
ホイッスルを鳴らしていた乳のデカい女はカバンから手帳を見せると、喧嘩はダメだぞ!と言った。
その手帳をよく見てみると、そこには白ノ帝国陸軍と書かれていた。
その手帳を見たチンピラ供は、顔を真っ青にしながら、なんでここに白ノ憲兵がいるんだよッ!!と、叫びながら力強く俺を退けながら走り側に、やってられるかよッ!と、負け犬の遠吠えの如く。
2人は素早く去って行った。
その後ろから、コラー!待てー、逃げるなー!!と、先ほどの姉ちゃんが叫んでいるが、追う気はなさそうだ。
その横にいる小さい女の子がため息をすると、もういないですよ。と呆れていた。
その女の子の態度に、巨乳娘は可愛らしく笑うと、えへへへ、一応場的に言っとかないと、ね?と笑って誤魔化した。
いや、コイツらやる気ねえだろ…。
そして巨乳娘は俺の方へ来ると、俺の頬に手を添えると、君、大丈夫だった?と、なんとも可愛らしい子に訊かれるが、一瞬だけ見とれていると、ハッと我に帰り、いつものスマイル0円で対応してやった。
「ご心配ありがとうございます。私の事なら大丈夫です。それよりも、輩に絡まれていた彼女を心配してあげてください。」
俺がジェントルマンな対応をすると、巨乳娘はニコッとすると、優しいんだね。と笑ってみせた。
「でも彼女なら、王子様がそばにいるから大丈夫みたいだよ。」
そう言いながら、そちらの方へ目を向けると、4人の娘に囲まれる王子様というか何というか…残り3人の娘はどこから湧いて出て来たんだ?
俺はため息交じりで、王子様ねぇ…。と、呆れてしまった。
俺が呆れていると、バシッと頭に衝撃を受け、俺は頭を抑えながら思わず大声で、いってぇなッ!誰だよクソボケがッ!!と叫んでいた。
そんな俺の態度にニコニコ笑いながら、僕だけど。と笑う沖田の姿があった。
コイツいつか絶対ぶっ殺す…。
そんな沖田は詫びれることなく「ヤッホー!彩里ちゃんと寧々ちゃん」と笑顔で挨拶をすると、少し驚いた顔で巨乳娘が、総ちゃん、どうしてここにいるの?と訊くと、沖田はニコッと笑いながら「
元はと言えば、俺じゃなくてコイツが助けに行っていたら怪我しなくて済んだのに。やっぱコイツ許せねえわ。
巨乳娘は、たこ焼きは好きなんだけど…と言うと、熱いのは苦手かな。と言った。
そんな彼女のことを気遣ったのか、沖田は、じゃあ、僕が口移しして食べさせてあげようか?と爽やかに言いやがった。
巨乳娘も乗り気で嬉しそうに、寧ろ総ちゃんなら大歓迎かな。と言いながら沖田の頬を両手で包み込んだ。
一体俺は何を見せられているんだ……。
俺が呆れ返ってると、後ろから小さい少女が現れ「周さん!公共の場でなんていう破廉恥行為を晒しているんですか!私たちのやるべき事は被害者方の取り調べが先ですよね?それと沖田さん、貴方も周さんを誑かすような真似はしないでください。」と、言いながら睨みつける少女。
いやー、小さいのにしっかりしているな。
少女に言われた2人は、苦笑いしながら、冗談だよー、寧々ちゃんもたこ焼き食べる?と、反省の色を見せない。
流石は陽キャのチャラ男。陰の俺とは大違いだな。
たこ焼きを差し伸べられた少女は軽くあしらうと、いりませんよ。と一言言いながら俺の方へ来て、怪我は大丈夫ですか?と心配してくれた。
「ありがとう。俺なら大丈夫です。それよりあちらの取り調べをー……あー、いや、大丈夫そうだな。」
まあ、向こうは怪我人いないし、寧ろ被害受けたの俺だけだし…でもなんか腑に落ちないよな。
なんで俺だけこんな目に遭わなきゃならないんだよ。
その後、ハーレム集団の男はお礼を言うと、機会があれば、またどこかで。と言いながらその場を離れて行った。
俺たちも2人の少女と別れを言おうとしたら、どうやら少女たちも俺たちと同じ鍛冶屋に用があるようだったので一緒に行く事になった。
とりあえず軽く自己紹介でもするか。
俺は2人に「改めて初めまして、源義経です。俺の事は牛若丸とか若とか好きに呼んでください。」と挨拶を終えると、巨乳娘が俺を抱きしめると「義経くん可愛いから弟にしたいなー!ねぇ、お姉さんの弟にならなーい?」と言った。
丁度いい感じに俺の顔に胸が…苦しいけど悪くないなこれ。
俺はなんとか顔を出すと、「姉も兄も兄弟多いいんで大丈夫です。」と答えた。
俺の返事に少し残念そうに、えー残念だなー。と言うと「あ、アタシの名前は周彩里。いろりんってよんでもいいんだよ!」と言った。
いろりん?あー、なんか前の事件の時に自称アイドル言ってたやつか。
まあ、普通に呼ぶことにするわ。
俺が少し呆れながらも、そうですか、よろしくお願いします。と返事を返すと、もう1人の少女が「周さん、いい加減に離してあげたらどうですか?」と言うと周は、そうだねー。と言いながら俺から離れてくれた。
少女は上司がご迷惑をおかけしました。と軽く謝ると「私の名前は星宮寧々です。何卒よろしくお願いします。」と丁寧に自己紹介を終える。
「いえ、こちらこそよろしくお願いします。」
星宮って今まで出会った中で一番真面目だな。なんか安心する。
俺たちが自己紹介をし終えると、後ろから慌てながら「あの!まだ僕自己紹介終えてないですよね。えっと……」と言いながら頑張る桃。
ごめん、桃。周りのキャラが濃すぎて少しお前の存在忘れてたわ。
そんな必死な姿の桃を見た周は、また抱きつきながら「可愛いー!さっきお姉さん、よっちゃんにフラれたから、君はお姉さんの弟になってくれるよね?」と言い始めた。
え、よっちゃんって俺の事?
なにそのセンスない呼び名。
桃は桃で顔を赤くしながら、えっと…はい、よろしくお願いします!と、元気に返事をした。
はぁ…いつになったら鍛冶屋行くわけ?
俺が気力をなくしていると、隣に沖田の奴が来て「なんだか、これから楽しそうな展開が起きそうだね。」と笑いながら言うが、俺はめんどくさい展開はごめんだ。と思った瞬間。
「そこの君たちー!匿ってて言うより助けてー!!」
前方からいかにも怪しい、というかマスク被った不審者が俺たちに助けを求めている。
「おい、沖田。お前の出番だぞ。」
「僕に言わないでよ。めんどくさい。」
コイツこれでも新撰組か!?
「お願いいいいいいい!!殺されるよおおおおおお!!!」
あー……早く鍛冶屋行って京に戻りたいんだが、誰か頼む。
俺の代わりに助けてやってくれ。
「ああああああああ助けてえええええ!!すぐ後ろに……あれ?いない。良かった、何とか撒いたみたい。」
「それは良かったな。じゃあ、俺たちは先を急ぐで」
俺がそう言うと、マスクを被った男が俺の腕を掴むと「いや待って!まだ近くに奴はいる…お願い僕を護衛して!といより護衛する権利を与える!」と腹立つ発言をした。
「おい、クソ野郎。一発殴っていいか?」
俺が笑顔で答えるとマスク野郎は「待って!言い方が悪かった。とりあえずマジな話を聞いて欲しいから場所を移動しよう。」と必死に言うが俺は「いや、早く鍛冶屋に行かせてくれ」と言った。
マスクの男は必死に「じゃあ、僕も一緒に行く!」と言い俺の腕を離さない。
なんか、めんどくさい奴が1人追加されたんだが……その隣でクスクス笑う沖田は「ほら、僕の言った通りでしょ。」と言った。
ほんと、最悪な日だな。
こうして俺たちは、2人組の少女とめんどくさいマスク野郎と鍛冶屋へ向かうのであった。
「ねぇ、今あそこの物陰に人居なかっった!?」
「うるせぇー!通天閣なんだから人がたくさんいて当たり前だろうが!!というか俺から離れろ鬱陶しい!」
「嫌だー!死ぬまで離れない!!」
うわぁ……史上最悪な日だなこれ。
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