23 矛盾魂

萌神「人とは矛盾を楽しむ生き物である。そうは思わないか? 雄常よ」


雄常「ああ、それは分かるな。ミステリーの密室殺人とかその例に当たるよな。矛盾した現実と状況。それを解決する為に何があるんだろう? とわくわくしながら見るよな」


萌神「その通り! よく分かっている! ここまで分かっているなら萌えがわかるまであと一歩だ!」


雄常「でもそれと萌えがどう関係してくるんだ? 今のお前は普段と何ら変わって無いみたいだが」


萌神「ふぅん、それも当然。何故ならこれは単純な外見の萌えにあらず、中身の萌えなのだ!」


萌神「たった数語の中に矛盾と萌えを混在させる逸材、それが処女ビッチよ!」


萌神「処女ビッチとは言い換えれば耳年魔! 友達やらインターネットやらで性に関する知識こそあるものの、実際には生娘! それが故に経験者ぶった外面と内心の焦燥やテンパりを楽しむ萌えである!」


萌神「『経験人数なんて二桁余裕だし~♪ ま、軽く抜いてやるよ♪』

『あああああ!しちゃう! 本当に私しちゃうんだ! どどどどどうしよう…!』

という風に心と口で喋ってる女をどう思う? 私は萌える!」


萌神「だから雄常! 今の私は処女ビッチだ! 体は子供、頭脳は大人(意味深)。その名は萌神幼女! さあ、お前の萌えパワーも年貢の納め時だ!」


雄常「なあ、萌神。素朴な疑問を聞いてもいいか?」


萌神「何でも聞くがよい! 性に関するものなら何でも答えることは出来る、それが処女ビッチという生き物なのだからな!」


雄常「その萌えは最初からバラしていて萌えられるものなのか?」


萌神「え?」


雄常「いや、たぶんだけど相手にしてみると気付かれていないと思ってる、そのズレを楽しんでいるんじゃないのか? バラしてたら意味ないんじゃ?」


萌神「あ」


雄常「……」


萌神「……」


雄常「……」


雄常「……今日の夕飯お前の好きなやつにしてやるぞ」


萌神「……ハンバーガーがいい」


雄常「いいぞ」

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