ep.2 ペットは割と……

私からすると今現在なのですが。

昔々そこらへんにあったような気がするくらいの世界「ジピルア」は今日も平和です。小鳥がさえずっています。とても美しい川の音が遠くから聞こえてきます。さらに遠くからは村人の子供たちが元気に駆け回る人々の優しさに満ち溢れた声が聞こえてきます。もちろん私の千里耳の能力で。

では、魔王様の右腕ライトハンドオーマが

ここで一句。


「ああ平和 ああ平和だよ ああ平和」………


ブチッ!!


ミギウデの顔に殺気がほとばしる。


「私が言うのもなんですけどこれって私達魔物の存在意義を見失っていませんか!!?これ例えたら竹を取りに山に出かけたおじいさんが竹林で竹を一本も取らずに帰ろうとしたところに光る竹があってもガン無視で、川で洗濯をしていたおばあさんはめんどくさくなってありったけの洗濯物を川に全てブチ込んだあとに上流から流れてきた大きな桃を冷たい目でガン無視して帰ったのと同じですよ!お話義務違反ですよ閣下!!!私達のあるべき姿は

[ああ支配!ああ支配だよ!ああ支配!!]の一句じゃあないのですかああア!!?ジピルアの完全支配計画はどこへいったのですかあああああ!!!?」


ミギウデは久しぶりに魔王の間で絶叫した。

こういうとき魔王は割とビビっている。


「まあまあ落ち着いてくれたまえよライトハンドオーマ。肩に乗せたドラゴン君も怯えてしまっている。我は魔王なのだ、まあ使う魔法も強大な故に、まあ絶大な力を溜め込んでいるのだよ。あと、最後らへんのおじいさんおばあさんのくだりはどしたの?あれ著○権的なあれに引っかかるとあれであれだからああいうあれな流れは今後控えめにしておこう、ね。今後のために。あとお話義務違反て聞いたことないよわし、250,000年生きてるけど。うん、聞いたことないです。はい」


段々と覇気を失った魔王様にミギウデは


「そういう自分が追い込まれた時に限って正式な名で私を呼ぶのですね、閣下は。私は完全に呆れました。」


とそっぽを向いてスタスタと魔王の間を去っていった。


ミギウデは割と怒っている。


1人と1匹魔王の間に取り残された魔王様は呟いた。


「まあ、いつものことでしょ、なんとかなるよって。ねえドラゴン君」


「キュルウウウン」


魔王様はそう言って肩に乗せているドラゴンの幼体の鼻先を撫でました。ドラゴンを育てるのは飼育ゴブリンの仕事であるのに魔王様は毎日欠かさずドラゴンの世話をしているのです。そして何より、1匹1匹をしっかりと愛しているようなのです。魔王のくせに生意気とは言えませんが、なにせ魔王ですよ皆様。どう思われますか、私は断固反対ですよ!お話義務違反の魔界法律を打ち立てて魔王様が早くしっかりとした魔王の道に戻っていただくために私は尽力してやります!!!努力は惜しみません!!!!


「閣下は割とペットがお好きなんですか!!?」


平和ボケした「ジピルア」を一体あのペット好きでゲーオタ・漫画オタクの魔王がどうやって支配していくのか、はたして支配できるのか、この作品の問題ですね。


魔王様は割とペットのドラゴン

さえいればいいらしい。




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