第5話 反逆者(竹山side)

 ったく、、。

 これは、絶対おかしい。

 組織ぐるみの圧力ほど、愚かなものはない。他の学校ではきちんと、生徒と教師の間には素晴らしい関係が、築かれているのだ。それなのにこの学校と来たら、、、

 もう本当は辞めたいくらいだ。

 でも俺は知っている。悪いのは、1部の人間だと。

 周りの人間もまた、生徒と同じく、圧力をかけられているのだと。

 だから、どうすることもできない。あいつらは頭がおかしいんだ。そう思うことしかできない。

 でも俺は弱いから、、、

 だから、あいつらに従ってしまったんだ。

 そのせいで、一人の人間を傷つけてしまった。


「先生、ちょっと遅くなっちゃったんで、親に電話していいですか??」

「ああ、いいよ。俺が許可する。」

 そう言って新垣が電話をしている間に誰かに見つかったのだろう。

 そのが、あいつらに密告したのだ。

 翌日、新垣が井田に呼び出された。新垣はきちんと事実を説明したが、無駄だった、、、

 あいつを頑なにしてしまい、特別指導として1週間の停学処分となった。

 その後、俺のところに奴はきて、

「君も共犯だ。校長への密告をされたくないなら、俺たちに従え。いいな?」

「はい、、、」

 と答えるので精一杯だった。

 あいつらの言いなりにさせるもんか!絶対、あいつらに痛い目を合わせてやる!

 そう思った矢先だった。

 あいつらが生徒達を押さえつけるのであれば、俺は生徒達と一緒にこの学校を変えるしかない!と。

 だから、新垣が復帰してから2、3日してから私は授業中に新垣に近い榊原にそっと手紙を渡した。

 <榊原、俺が新垣に謝りたい、と伝えておいて欲しい。俺もこの学校に改革が必要なのはわかっている。だから、君達に協力したい。可能なら、○○○-○○○○-○○○○に、電話して欲しい。

 それと君達は、監視されている。コミュニティセンターで話し合っているのはもうバレている。これからは話し合う時は、俺に伝えて欲しい。一緒にこの学校を変えよう。>

 一か八かだった。学校の問題になっても構わない。俺はこの学校を変えたいんだ。

 その夜、早速俺のケータイにメールが届いた。

 <手紙、拝読させていただきました。皆で図書館で紙を回して考えていました。結論から言うと、私達も先生にお願いします、ということになりました。なので、私達に協力してください。>

 俺は、素直に嬉しかった。だから、これからの学校改革を進めるいいチャンスになると。

 これから、俺の改革はスタートする。


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