初恋

第1話 初恋

私の初恋は大学生の時だった。

小・中・高と彼氏はいなかったけれど、人並みに恋をしているとは思っていた。かっこいい男の子をみてときめいたりしていた。でも、大学生になって初めてそれは恋ではなかったのだと気がついた。

彼とあったのはサークルだった。お互い人見知りだったけれど、ひょんなことがきっかけで二人でご飯に行くことになった。

その時にみた彼の笑顔に私はやられてしまった。なんというか、その無邪気さ、あどけなさ、そして楽しそうな少年のような笑みに敵わないなぁと思ってしまったのだ。

彼とはいくらか付き合ったのだけど、結局別れてしまった。すごく好きだったのだけど、一緒にいてとても苦しかったのだ。価値観が合わなかった。

大学の最寄りの駅を通りがかるといつも彼を思い出す。今、彼はどうしているのだろうか。

桜の蕾が膨らんでいるのがみえた。