EPILOGUE:
毎週木曜外ランチの日
「あ、あのさ、今日は………ちゃんと2人に報告したいことあってさ」
「ほう……では、聞かせてもらおうか樹」
「林主任のこと?」
「あっ利津あかんて!今まさに樹が超ウルトラスーパー頑張ってんだからもっと雰囲気出して!!」
「言う前からモロバレかい!!!」
「ってことはつまり?」
「え、えーと、その………この度主任とお付き合い、することに なり ま し て……」
「おーーーめでとーーーーーーー!!!」
「ちょ晶声デカいほんと待って抑えてここお店だから」
「樹おめでと。主任、最初はちょっと苦手なのかなと思ってたけど…決め手はなんだったの?」
「う、うーん……やっぱあれかな、私のことか、か、かわいいなんて言う人、もうこの世にいないだろうし」
「「は?」」
「へ?」
「何言ってんの樹どストライクにかわいいやん」
「我々3人の中で一番女子じゃない」
「え?」
「かわいいとこを必死にクールで隠してるとこがまた萌えポイント高いのよね」
「え??」
「それをこの短期間で見破るとは、さすが人事のスパダリ侮れんな…!!」
「え???」
「ハイじゃあ次は晶。酔っ払い襲撃事件までは聞いたけどさ、送ってってもらった後はどーだったの?」
「ちょま、利津そこ聞く?!の?!」
「いやなんも?」
「うんまあそうだよ晶そのへんは真っ昼間っからカフェでするような話じゃないよね!?」
「いやホントにさくっと玄関で解散しましたが何か」
「え……マジなの?」
「うん。お茶でも~とは言ったけど、『今日だけは絶対にお邪魔するわけには』とかって即帰ったよ」
「玉城くん…………マジでいい男だわ」
「真の紳士すぎるだろ……」
「う、うん、だからさ私頑張ってみようかなって思ってるねん…!」
「「は???」」
「あれから仕事遅くなった時何回か駅まで送ってくれたしさ、これ脈アリ…ってか可能性ゼロじゃない、よね?」
「あの、晶さん…………?」
「晶あんたそれ脈もクソも……彼が抱き締めてくれた時の言葉をなんだと思ったの」
「え?期間限定用心棒爆誕時のやつ?」
「えっ」
「ちょ」
「てか抱き締めたって語弊あるな~、生まれたての子鹿になってもーた私を介護してくれただけやって」
「いや待て私ですら気付いたんだ、わかれ晶!がんばれ晶!!」
「うんじゃあ続いてさっきの彼のセリフもっかい復唱してみて?さんはい」
「?『今日だけは絶対にお邪魔できない』……つまり……あの後用事があったのでは?!」
「んなわけあるか!終電間際に!わざわざ約束ある日にさらに約束するか!?」
「な、なるほど……!じゃあ謎は一旦白紙に戻っ」
「いやちゃんと言ってるわ『今日じゃなきゃいい』って!」
「え、え、どゆこと??」
「そして…いい?なぜ『今日』がダメだったのか」
「な、なぜですか大島先生……?!」
「なんでだよ晶!手掛かり2個あるぞ晶!どう考えてもそうだろ晶!!」
「もー、晶が泣くほど傷ついた日だからでしょ」
「えっ私の話これ?」
「そーだよ、晶が辛いときにするのはやめますってことだろ」
「何を?」
「告白」
「へ?まじで??そういうこと???………………いや、ちょ待っえええええええええ?!?!」
「よしこれで晶OK。利津は部活どう?」
「斎藤の妹さんに会わせてもらって、兄をお願いしますって言われたよ」
「きたあああああああこれで家族公認ですねよっしゃビクトリー!!!」
「晶復活早いな?!」
「兄は自分より私をいつも優先してくれてたから、幸せになってほしいってさ」
「ちょ、ええ子や……めっちゃええ子やんけ………ううう」
「斎藤って飄々としてる奴だなーくらいに思ってたけど、実はすんごいいいお兄ちゃんだったんだなぁ」
「昼間っからこっ恥ずかしー話大声でしてんじゃねーよお前ら……」
「あれ斎藤、と玉城くん」
「すみません、なんだかお取り込み中のところに……」
「なななななななななんでここに?!ちょ、いつからいたの?!?!」
「いや今来たとこだがどうした山本。たまにはかわいい後輩に飯でも奢ってやろうかと」
「晶先輩の『いつものお店』ってここだったんですね」
「うん玉城くんちょっといいかな」
「ほら隣空いてるしここどうぞほら座って」
「あ、はい、では」
「森大島どうした…顔がガチだぞ」
「いいから斎藤も座って。あのね玉城くんほんとごめん、この子もう本当にハッキリ言わないとダメだと思うので今度機会あったらひとつよろしく」
「うん、『す』から始まる4文字のやつ。ごめんね、よろしく」
「は、はあ………?」
「いやいやいやいや2人ともほんとそういうのいいから!もう大丈夫だからわかったから!いやわかってないけど!そうとは決まってないけど!!」
「晶まだ言うか」
「もう何も言わなくていい。今話はついたからね」
「お前ら突然のなぞなぞとか小学生か!玉城困らすなよな…………あれ…、森、林主任来るってよ」
「えええなんで斎藤スマホに連絡くるんそこは樹では?!」
「突然の仲良し発覚?!」
「たしかにちょっと意外だね。接点あったっけ?」
「あー…実はあの人は俺の恩人でな、いろいろ揉み消…世話になってる。店にもたまに来るぞ」
「そうなんだ?やっぱデキる人なんだね」
「おっ例の店?そういやうちらまだ行ってないよね……んじゃ今日みんなで行こっか?よっ大将やってる?!」
「突然すぎねーか山本…まぁ今日なら大丈夫だけど」
「ん、私も行ける。たまにはこういうのいいよね…あ、火曜じゃないけど利津平気?」
「私も平気。良かったら玉城くんもどう?」
「よろしいんですか?同期の皆さんの会では……」
「平気へいき、むしろ来てもらいたい」
「そうだね早速来てもらいたい」
「あ、あばばばばば」
「だからさっきからなんなんだお前ら2人は目据わりすぎだろ」
「では、せっかくですのでご一緒させていただきます」
「よしきた、晶けっこう酒弱いんでよろしく!」
「ちょ、樹の方が全然弱いでしょーが!?営業本部の力をなめるなよ!」
「え、あの、俺もそんなに強いわけでは…?」
「うん大丈夫助かるよ。とりあえずはいこれメニュー、まずはランチの注文どうぞ」
「おい大島俺にはねーのかそういう気遣い」
「さ、斎藤お前…まさか妬いてる?!うわあなんか新鮮すぎてどうツッコんだらいいんだこれ」
「わかりみが深いわ樹、まさかあのサイトウが…!って驚きあるよね」
「普通に!メニューを!見たかっただけだろ俺は!そこに理由とか嫉妬とかあるか?!」
「俺こそ気付かず申し訳ない…!先輩、先に見てください」
「ここはやっぱり『今日のランチ』が安くてオススメかなぁ」
「じゃあ僕はそれで。樹さんはどれにしたんですか?」
「わっわあああああ!?!?」
「びっ……くりしたー」
「早かったですね主任」
「店決めかねて外でウロウロしてたからね、誘ってもらえて助かったよ」
「いや待って斎藤そこじゃないよね!?はい今気付いた人ーーー!!」
「は、はい」
「玉城ノリいいな?!」
「さすが玉城くん!さあ回答権は君にあります」
「あ、しまったな、つい。斎藤くん、ここの面子は大丈夫?」
「全員問題ありません。玉城、わざわざ声に出さなくていいぞ」
「は、はい。晶先輩すみません……」
「同部署先輩からの理不尽な命令!だって今ナチュラルに呼び方下の名まもががが」
「晶ステイステイ!はいもう後は全部部活でってことで!!いいよね!!」
「ぶ…部活?ですか??」
「ま、そのほうが良さそうね。林主任、本日終業後にお時間ありますか?」
「この面子で例の店でワイワイやろうかって話になってたところでして」
「そうだったんですね。樹さんが行くなら僕は当然お供しますよ」
「「「!!!!!」」」
「あ、つい」
「しゅ…主任んんんんん!!今の絶対わざとですよね?!」
「すみません、照れる樹さんが可愛くて」
「確かに。同感です」
「ちょっ店混んできたからとりあえずみんな注文ー!」
「は、はいっ!」
「だから俺まだメニュー見てねえって!」
「僕は『今日のランチ』でお願いします」
「店員さーんお願いしまーす!……………」
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