CASE:6
林万尋[ハヤシ マヒロ]の場合
穏やかな日曜の昼下がり。
とある複合商業施設の真ん中で、森さんは全力で狼狽していた。
「主任っ大変です!あそこにチーズタルトの専門店が…!!」
「そのようですね」
「さっきのアート作品みたいなゼリーのお店とどちらにしますか?!」
「確かに…迷います」
「でも、でも待って下さい…そもそも今日の目的はベルギーワッフルですよね?!」
「ええ、そのつもりでしたね」
「それに、正直言いますと、あそこのドーナツ屋さんも今まで勇気がなくて入れなかったお店なんですが」
「それは捨てがたい」
「ううっ…一体どうしたら…!!何故私はさっきの店でパイを2つも食べてしまったのか…っ」
頭を抱えて悩み始める森さんに、近くのポスターを指しながらついつい余計なひとことを追加してしまう。
「森さん、上階にはゴディベの期間限定チョコドリンクが売っているようですが…」
「!!!!!」
憧れのスイーツに囲まれすぎて、幸せの絶頂で泣き出しそうになる森さん。
そんな彼女がかわいくないなどと思っているのは、もはや本人だけだと思う今日この頃。
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