第75話 縁切り包丁

 グローバル組合も、ハッピーランチがメインで活動していた。

 

 日の出屋が日給研に入ったと聞くと、すぐに嫌がらせが始まった。グローバル組合の息のかかっている仕入れ業者が、日の出屋への取引を停止した。


 魚屋の、いつもの配達に来るにいちゃんが「うちの社長からです」と言って、真新しい包丁を持って来た。


 脅しのつもりだろうが、兄も僕もかえって燃えた。もらった包丁は「縁切り包丁」と名づけて僕が使った。


 仕入れ業者は、太陽グループから紹介してもらった。


 薮田さんに「太陽グループは本当にオール手作りなのですか?」と聞くと「手作り風ですね」と答えた。


 メンチとハンバーグは、冷凍状態で入荷されたが、とても手作り感があり形も不揃いで、ハンバーグは指の跡まで付いていた。


 とても美味しくて、太陽グループの努力が良く分かった。兄は日給研に加盟して、人脈を広げ頻繁に浅草の本社に呼ばれ勉強していた。


「ハッピーランチに勝ち、川崎で一番になる」が合言葉になった。

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