第40話 最弱のチーム

 高校二年の春、僕はバスケットに燃えていた。


 後輩も七人入って来た。経験者は一人だけだったが楽しもうと思っていた。 


 僕はすでにレギュラーになっていたが、いかんせん初心者の集まりだ。目標は公式戦で勝つ事だ。


 ある日、練習試合をする事になった。相手は、進学校のサレジオだ。川崎で一番弱いと言われていた。


 試合は日曜日の午後十四時開始で会場はサレジオだ。


 僕は仕事があり、一段落ついたら行く予定でいた。僕達の時代のバスケットは前半、後半の二十分ハーフ制だ。


 僕は試合に遅れ、前半戦終了と同時に会場に入った。


 四十二対二十五で負けていた。


 すぐに着替え、アップもそこそこで試合に出た。簡単に逆転出来ると思っていた。必死に追い上げるが届かない。


 試合終了の笛がなった。サレジオベンチは大騒ぎだ。


 結局七十五対七十で負けた。


 野本コーチが、試合後部員を並べ気合を入れると言って、一人ずつ頬に泣きながらビンタした。


 最初から僕がいたらと悔やんだ。

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