第22話 合格発表

 合格発表の日、僕の中学校で川崎商業を受験した七人と見に行った。


 ドキドキして祈りながら僕の番号を探した。

 

 「あった!」


 僕の受験番号が貼り出された紙にあった。


 一緒に行った七人のうち、僕を含む三人しか合格せず五人が落ちていた。僕は喜びを隠せず、落ちた五人に気を遣う事も出来ず、はしゃいでいた。


 落ちた一人が「何お前一人ではしゃぎやがって。ぶん殴ってやろうか!」

そう言うと、僕に詰め寄りもみ合いになった。

 

 「もう止めなよ!龍神君も落ちた人の気持ちが分からないの?」


 そう言うと、その女の子が泣き出した。


「すまない、俺が悪かった」


 僕は恥ずかしくなった。


 中学校に合格の報告に戻ると、進路指導の先生が待っていた。


「合格おめでとう。俺は龍神が受かると思わなかった。嬉しい誤算というやつだ。高校に入学したら家の仕事も大変だろうが頑張れ」


 先生に肩を叩かれながら握手した。


 家に帰ると、珍しく親父から声をかけて来た。


「高校は合格したのか?」


 僕が「合格したよ。先生に褒められたよ」


そう言うと親父は「良かったな。学費が高くて大変だから頑張って仕事しろよ」


そう言うと、親父は店を開ける準備に入った。取りあえず親父の元を離れるのは先送りにした。

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