第九話「新しい命」

七ヶ月になる。たまにゴロゴロと動く動作が嬉しさを倍増させる。

「恵、大丈夫?」

「大丈夫よ。赤ちゃん、今日も元気そうで良かった」

「そうだな」

判定の結果、男の子だ。

あの手術から一週間後。治樹の体は無事健康になった。

その後、何より楽しみにしていた海外への新婚旅行にも行ってきた。

二泊三日のハワイ旅行は、とっても楽しかった。

「これから先はもっと頑張らないとな!」

「そうだね」

「あっそうだ!」

「?」

「誕生日おめでとう」

治樹が手にしたのは、赤いリボンでで巻かれてるプレゼントだ。

「開けてみて」

「うん」

「わあっ…」

シンプルなペアのマグカップだ。

青と白、オレンジと白のマグカップで、二人のそれぞれの名前が小さく刻まれていた。

「ありがとう。これ、手作りだから、高いでしょ?」

「そんなことないよ。俺たち、今までペアのやつなかったから、拓海の知り合いに頼んで、作ってもらったんだ」

「へえーすごい。大切に使うね!」

「うん、嬉しそうで良かったよ」

たくさんの困難を乗り越えた分、よりたくさんの幸せを感じることができた。

治樹たちは、これからやって来る新しい命の誕生を楽しみにしている。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る