第1章 最終話 時雨との別れ
俊を攻めようとしたユウガのダガーが二本とも砕け散ったことに、優人は驚いていた。
「なっ... ...どうゆうことだ?」
「教えてやろう、これは俺の能力、振動操作だ、この能力は俺が指定した物に与える振動を魔力を消費して増加させるものだ」
俊の説明を聞いた優人は即座に攻略法を考えるが、なにをしても、今の自分では通用しないことを理解した。
(くそ... ...どうすれば良い? ... ...ん? あれは... ...)
優人は体育館二階の通路にエンヤがいることに気がついた。
次の瞬間、優人は何か思いついた用にニヤリと笑い、叫んだ。
「エンヤ!! そいつを撃て!!」
エンヤは状況を理解していないようだったが、優人の大声に反応し、とっさにショットガンを構えた。
俊は能力を使用し、エンヤを吹っ飛ばした瞬間、優人はユウガに合図を出し、俊に突っ込んで行った。
「くっ... ...!!」
俊が初めて焦りの表情を見せた。
俊が能力を使用し、ユウガを吹っ飛ばしたが、優人は気にせずに俊に近づき、時雨を抱えて、後退した。
「よし!! 時雨は取り戻した!! 後は逃げ切るだけだ!!」
優人が叫んだ。
すると俊がチラリと腕時計を見て言った。
「そろそろ時間だ、出来れば器も回収したかったが仕方がない、魂だけ回収させてもらう」
俊はそう言うと、右手をかざした。
すると、時雨の身体と俊の右手が同時に光り出した。
次の瞬間、時雨の身体が光の粒子の用に分解され、俊の右手に集まった。
残った最後の粒子が優人の頭に当たった瞬間、声が聞こえた。
『優くん、ゴメンね、騙してて、私は時雨じゃあ無いのに、優くんに馴れ馴れしくして、助けようとしてくれてありがとう、でもゴメンね、さよなら』
それを境に声は聞こえなくなった。
優人はとっさに手を伸ばすが、俊はそれが時雨であろう何かの結晶を持ってヘリに乗っていた。
優人は自分の両目から涙がこぼれるのを感じた。
「そんな、時雨... ...」
時雨がいた場所には鞘に収まった二振りの刀が残っていた。
それから三日後、優人とユウガは準備を済ませて、時雨を助ける旅に出ようとしていた。
「良いのか? ユウガ、俺に着いてきて」
優人が隣にいるユウガに尋ねる。
「良いのさ、どうせ指名手配される日も近いだろうし、俺達公安に逆らったんだぜ? ここにいても危ないだけさ」
「そうか... ...さて、じゃあ行くか!」
優人達はそう言って、旅立っていった。
2章へ続く。
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