第1章 8話 体育祭の練習
時の流れはやはり早い。
4月も終わりを告げ、今は5月。
優人達は、体育祭の練習をしていた。
といっても、この学校の体育祭の競技は一つだけだ、それは、クラス同士でのバトルロワイヤルだ。
フィールドは学校全体、生徒には攻撃もしていいが、骨折以上の怪我をさせるのはルール違反だ。
ルールはいたって単純で、クラス同士で戦い、最後に残ったクラスが優勝だ。
「で、何で俺が戦略隊長なのかな? 時雨さん?」
優人が眉毛をピクピクさせながら言う。
「だって優くん戦略ゲームとか強かったでしょ?」
眩しい笑顔で時雨が言う。
「5歳の時の話だろ、まあ... ...今も得意だけどさ」
この時クラスの思考は完全に一致した。
(((えっ? 5歳で戦略ゲーとかやってたの? やばくね?)))
その時優人の後ろから、何かアホっぽい声が、優人に話しかけてきた。
「まあまあ、得意ならお前が指揮をとれば良いだろ? 神崎もこう言ってるんだからさ」
アホっぽい声の主はユウガだった。
「はぁ~、分かったよ... ...やりゃあいいんだろ? じゃあまずフィールドを把握しないとな、俺達は入学したばかりでまだ学校の教室配置などを覚えていない、時雨、地図を取ってきてくれ」
少しけだるそうに、優人が時雨に指示を出す。
「うん! 分かったよ優くん!」
時雨はそう言いながら地図を取りに行った。
「さて、準備が一段落着いたら連携とかの練習しないとな」
優人が真面目な表情で呟く。
「お前、やる気なさそうだったのに案外真面目にやるのな」
ユウガが優人に言う。
「そりゃまあ、やるからには本気でやりたいからな、それに時雨に言われたらしょうがないしな」
優人がため息まじりに言う。
「おーおー、お熱いことでねぇ」
ユウガがニヤニヤしながら言うと、優人がユウガに腹パンを食らわせた。
「ゴフッ! 少しは抑えろよ」
ユウガが泣き目で言う。
「お前が変なことを言うからだ、それとさ... ...お前... ...このクラスだったの?」
「そうだよ!!」
ユウガが叫んだ。
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