第1章 7話 訓練の時間

保健室で目覚めた優人と時雨は、体育館に来ていた。

優人と時雨は、訓練メニューがほぼ一緒なため、行動を共にすることとなった。

「よし、やるか」

優人は軽く準備運動をしてると、誰かに声をかけられた

「おう、雨宮起きたのか、なら私が手ほどきをしてやろう」

何たる不運か、優人に話しかけてきた相手は優人を気絶させた張本人である灯火だった。

それからメニューである刀剣の使い方の訓練を、灯火に教えて貰っていると、時雨の声が聞こえた。

「や、やめて下さい... ...あの... ...訓練しないと... ...」

オロオロしている時雨の声が優人の耳に入ってきた。

「良いじゃねぇかよ、お嬢ちゃん」

という耳障りな声が体育館に響いた。

その瞬間、灯火ですら、震えそうになるほどの殺意が体育館を満たした。

その殺意は、殺意を向けられた不良以外の生徒も感知した。

殺意のこもった声で優人が不良に詰め寄る。

「おい、そこのクズ野郎、何してやがる」

明らかに臆している不良が優人に言う。

「な、何だよ、お、お前、お、俺にそんな口のききかたを」

優人は、殺意を全く緩めずに言う。

「ゴミは喋るな、さっさと失せろ」

「うっ、こ、今回は勘弁してやる、覚えてろよぉ!」

間抜けな声で叫びながら不良は去った。

「ふぅ、大丈夫か? 時雨」

一気に殺意を消し、優人が時雨に言った。

「うん、ありがとう、優くん」

少し頬を赤くしながら、時雨がお礼を言う。

自体は収束し、灯火とその場にいたほとんどの生徒が優人に意外感と恐怖を感じていた。

見事不良を撃退した優人に、ダガーを二本持った一人の生徒が近づいてきた。

「なあ、お前さっきの殺気、凄かったな! 俺にも教えてくれよ!」

「いや、お前誰だよ?」

「ああ、ゴメン、俺は林松ユウガだ、よろしくな」

少し、アホっぽい雰囲気を醸し出すユウガが自己紹介をした。

「俺は雨宮優人だ、よろしくな」

優人も続いて自己紹介をした。

それから、新たにユウガを加えた三人で訓練をし、帰宅した。


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