第1章 5話 初めての訓練

学校は今日で三日目、生徒達はほぼ欠席無しに登校していた。

「お前ら、今日は初の訓練だ、気を引き締めていくぞ」

灯火がクラス全員に言う。

生徒達は全員ゴクリと唾を飲んだ。

体育館に移動し、灯火が全員にあるプリントを配った。

「今配った物はお前らの訓練内容だ、各自そのプリントに書いてある通りの武器を倉庫から持ってきて、ペアを組め、それと雨宮、お前は私とペアだ」

(えっ!? マジ!? 公開処刑!? 勘弁してくれよ... ...)

そして優人は配られたプリントを見ると、そこには、『ロングブレード、一本、サバイバルナイフ、一本、M9、一丁』と記されていた。

そして倉庫に行き、指定された武器を持ってくると、灯火がルール説明をする。

「ルールはその武器、本物に見えるが偽物のなんちゃって武器で相手に致命傷に値するダメージを与えるか相手が降参した場合、勝利となる、あとお前はまだ魔法を使えないだろうから私も魔法は使わない、これでどうだ?」

「はい、問題ありません」

優人が短く答える

「じゃあ、スタートっ!」

灯火がスタートの合図を出す。その瞬間、灯火が持っていた刀を抜刀し、物凄い速度で斬撃を放つ。

優人はそれを何とかとっさに抜刀したロングブレードとナイフで防ぎきる。

「武器、それだけっすか?」

カチカチと剣と刀がぶつかる中、優人が尋ねる。

「良いハンデだ」

灯火がそう呟く。

「くっ!せぁぁ!」

優人が雄叫びを上げ、灯火の刀を弾き返す。

「うぉっと... ...やるな!」

灯火に笑みが浮かぶ。

そして二人は剣と刀をぶつけ合い、高度な近接戦闘をする。

だが優人はいくら才能があるといってもまだ素人だ、当然、プロの灯火に及ぶ筈もなく、呆気なく剣を弾かれ、腹に斬撃を受け、灯火の勝利となった。

「くっ!やっぱり全然勝てねぇかぁ-」

優人がそんなことをぼやく。

「当たり前だ、教師が生徒に負けるなんてことはありえん、だが、なかなか筋が良いぞ、雨宮」

そう言うと周りから感嘆の声が上がる。

「この時間の訓練は終わりだ、教室に戻って次の授業の準備をしておけ」

灯火がそう言葉を残して、職員室に向かう。

そしてクラスで整列して、教室に戻った。



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