4-10
アリア達が倒した
戦死後に遺体が放置されたままだったり、負傷して人知れず戦場で行き倒れた兵士が、
戦いが繰り返される前線で彷徨う彼等に合う事は珍しくは無いが、亜人にしろ人にしろ、
今、これらの鬼火達を埋葬や火葬する時間的な余裕は無い。だが幸いにしてサールが
これで少なくとも彼等の「火」は、迷わず「自由の神」の「
比べてアリアはあまり関心はしなかったが、ヘラレスは慣れた手つきで
今だに懐具合は厳しいアリアにとっては思ってもみなかった「お宝」。特に「魔の水晶」は今後を考えてもありがたい品だ。
「奥様のお気持ちは理解できますが、私の様な奴隷にとっては、こうして生きるための日銭や「思いもしなかった戦果」を獲得するのが常でした、、、」
しみじみとヘラレスは言う。
「それに奥様。本当に稀ですが、倒れ伏した死者の中に息がある者を見つける事もあるのです。そうして助けた「幸運な者」が幸運を分けてくれる事もあるんです。」
たしかに遺体の丹念に調べれば、そう言った強運の「誰か」を見つけ、救う事は出来るかもしれない。アリアは手の中の「魔の水晶」を見ながら、これがこの先の戦いにどれだけ自分達の命を救う役に立つかと考えると、ヘラレスの行為を無暗に責める事も出来なかった。
ヘラレスは
異臭が鼻を衝く。ヘラレスの掌から「白濁したた瞳」がアリアを見ていた。
「※〇□△」
アリアは驚いて飛びのき、声にならない声を上げた。アリアの反応にヘラレスは呆気にとられる。
「奥様?どうされました、、、「
老コーボルトの言葉は正しい。アリアも知識としては持っていたが、いつも原材料そのものでは無く、城出入りの
「は、、、ははは、、、ははは、、そ、そうね、、、」
アリアは乾いた嗤いで誤魔化す。
「あ、あ、ありがとうヘラレス。で、でもね、、、ちゃんとした容器に収めないと切り取ってしまった「目玉」は直ぐにダメになってしまうの。ごめんなさい、今は、その、持って来ていなくて、、、」
女主人の言葉に老コーボルトは手の中の目玉を見ると「そうですか、、、」と少し残念そうにつぶやいて「目玉」を遺体に戻した。
サールが
私の至らない所を
アリアは道すがらそう決意した。ふと、サールがアリアの側まで来て小声で話した。
「先ほどの
突然の話で、アリアはサールが何が言いたいのか良く判らなかった。
「、、、母から聞いたんだが
己の身の上がアリアに伝わっていると認識っしているサールは、隠さずに母親からの話をアリアに聞かせる。
「
サールは一旦言葉を切る。
「
亜人の文献に存在しない初めて聞く話に、アリアはその目を見開いた。
「母から聞いて本当なのか、嘘か判らなかった。だけどあの
「ここは「紅月」の縄張りだ、、、まだ他にも
サールがアリアの身を案じて伝えた話ではあったが、アリアはこの先の不安を隠せない。だが今更別の手立てを考える余裕もなかった。
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