3-10
歓談は会食から始まった、アリアは砦司令官の要望に応え、知る限りの情勢をかいつまんで聞かせた。
テーブルに出された
はじめは女の人奴隷が気になり、食事どこころでは無いのでは?と危惧したが、出された料理のかぐわしい香りには空腹の胃は耐える事が出来なかった。保存食ではない新鮮な食材使い、手の込んだ手順としっかりと調味された料理は久方ぶりだった。
食事を心行くまで楽しんだアリアだったが「結局の所自分は
食事を終え、出された食後の茶を味わいながら初めに行われたのは、アリアが「駐屯地と砦の間にある脅威」といって提出した物証の見分だった。中身は防水用の布に包まれた手紙、金属の細工物、そして絵なのか暗号なのか分らぬ物が書かれた紙だった。
一通り目を通し、金属の細工物も手の取って眺めた
「お前はこの文章を読んだのか?」
そういってまず手紙を指した。アリアはうなずき答える。
「はい、報告と確認のため目を通しました。ですが内容はご覧になられた通りです、、、」
アリアの言葉に
「何と書いてあるか解るか?」
慇懃にアリアは返答する。
「恐れながら私の知る限りにおいて、そのような文字を見たことがありません。あるいは
「どうして暗号だと思う?」
「恐れながら勘でございます。魔術の勉学と同じ気配がいたしました、また木に刻んであった目印といい、互いに取り決めた何かがあるように思います。他の言語を使うより容易、かつ他人の目に触れた場合の用心かと存じます。」
しばらく
「色々と興味深い話だが続きは少し待ってもらおうか、夜もだいぶ更けた事だしな、、、」
「まずこの件は今日、明日中に俺の部下に確認させる、良いな?」
心臓が鷲掴みにされた思いだがアリアは頷くしかなかった。木の目印と箱の発見は容易だろう。だがアリアは問題の箱に伝言を残した、恐らく逃げた
推測通りに
アリアは瞬時に判断し。「お改めください」と申し出た。
「お前はレプニル・デーンと言う
アリアは思い出せなかった、と言うよりも「頂城」で暮らしていたアリアには魔術の研鑽が何よりで、人の国、組織の名は覚え始めたばかりだった。
「恐れながら浅学ゆえ、その名に心当たりがございません。」
「おい!このあたりじゃ有名人だぞ!!とは言ってももう昔の話だがな、、、」
アリアは
「!!」
「ま、まさか!あれから50年はたっています、私が思う人物なら、人の寿命ではすでに死亡しているか、生きているのがやっとの状態のはず。「八脚馬」の異名を持つ「帝国」のデーン将軍ですか?」
「残念だが生きてる、しかもかなり元気だ、ま~前線でお目に掛かる事は今後あるかどうか判らんがな、そのデーン将軍だ。本人は一線を退いて久しいが、面倒なことに最近後継者と目される指揮官が現われってな。」
「困ったことについ最近そいつらが前線砦の一つを潰した。」
日常会話はでもするように、
この砦指揮官は一体どいうつもりだ?
アリアは
「、、、戦が始まるのですか?大きな?」
アリアは茶を飲んで乾いた喉を湿らせた。
「可能性は高い、だが今少し時間がかかるだろう、知らせではそこまで人の軍隊に大規模な動きの報告はない。互いにここからだ。事情は分からんがそいつらが先走ったのか?別の事情で足並みが揃っていないのか?とりあえず一安心と言う所だ。」
アリアは気が付いた疑問を口にする。
「そいつらとおっしゃいましたが、、、」
「ああ、一人じゃない。判っているだけだが敵の指揮官は二人だそうだ、詳細はまだ調査中だ、、、だがそこで問題が起こった。」
ため息交じりで
「取り急ぎ増援並び調査に向かわせた部隊から伝令が来ない。」
「その援軍にはダッハ殿の息子、トルプがいてな、、、つまり消息不明と言う事だ。」
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