赤い悪魔
サールは
敵の狙い、、、やはり暗殺か?
サールには心当たりがある、だがやはり
思い当たる人物の性格を考えれば、嫌がらせにしても中途半端過だ。
どちらにせよ、、、
サールは目の前の
共闘を申し出たアリアは「明かり」の魔法で周囲を照らし出した。夜明け前とは言えまだ辺りは暗い、だがこれで夜目の効かぬ
長い手足と大きく特徴的な頭部、幼体だからだろう身長はサールの腰までも無い。だが相手はこちを恐れる様子もなく間合い詰めてくる。
幼体とてそれは変わりない、むしろ幼い面影があるだけ不気味だった。
これが、母さんの言っていた、森に棲む「赤い悪魔」か、、、
サールは子供の頃に「母」から聞いた、
親たちは夜の森は危険だから日暮れまでには必ず帰って来るようにと、子供達に「赤い悪魔」の話をする。
赤い帽子を被った子供が日暮れ近くの森に現れ、いつまでも遊んで家に帰らに子供に「もっと楽しい所がある」と言って何処かへ連れて行く、その子供は二度と帰って来ることは無い、「赤い帽子を被った子供」は悪魔の化身なのだ。
子供時分にとても恐ろしい話だったのを覚えている、だが母を手伝いをするようになってからは、親が子供を躾ける方便だと感じ始めていた。
だがある日、数人の子供が森から帰ってこなかった、母は村人を率いて夜の森に捜索に出た。
母と
サールは狩りの技を学び始めていた事もあり、暗い森に子供の痕跡を探し続けた。
そして動物でも人でも無い何かの足跡を見つけた。サールは必死になって追跡を試みたが、途中で見失ってしまったのだ。
サールは森の奥深を見つめた。暗い森の先、そこは亜人の領域。
戒めの物語に潜んだ真実。
伝える大人ですら、いつの間にか本当の意味を忘れてしまうほど稀な出来事だったのだろか?
、、、いや
人々は常に彼等を恐れていた。だから物語として残した。
だが強くも戒めなかった。詳細に口にする事でソレが何時かこの地に帰って来るかもしれない可能性を危惧し、生活に落ちる影を見たくなかったのだ。
人々は新しい土地の暮らしをより良いモノにするために懸命だった、希望を抱いてこの地に来たのだった。
今更行く当ても帰る場所も無い、恐怖は誤魔化すしかなかったのだ。
「赤い悪魔」にさらわれたのは、この
15年前、
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