第3話
それからというもの、私は生きにくさを感じていた。この街、人からの視線、意見、それが気になるようになって、学校には行ってたけど、部活はやめて、口数は減り、いわゆるグレる方へ進んだ。
仲良くするのは違う中学校の子になっていった。裏切った人たちの顔を見なくて済むだけで、居心地が良くて気が楽だった。心の隙間を埋めるのにちょうどよかったんだと、今になって思う。だからって、その時の友達って、今親友とかじゃないけど。
親友といえば、そう言い合っていた小学校からの友人もいたが、結局その子とも徐々に距離ができ、私の存在価値を見出す場所はどこなのか探す苦しさを、男からモテることで埋めた。好きだという感情を本気で抱いたのは、中2か中3の時だった。他の中学校の一つ年上の人だった。
メールをしたり、CDを貸してくれたり、そんな些細なことに嬉しさを感じたのははじめてだった。学校まで会いに来てくれたことがあって、更に自分の学校に居づらくはなったこともあったけど、そんなのどうでもよかった。顔を見れた幸福感はすごいものだった。
でもそれもすぐに悲しみに変わったり、他の人でその思いを埋めたり、思い返せばよく乗り越えたねと抱きしめてあげたいこともあった。
いじめや悪口、悪い噂、生きづらさ、裏切り、それがトラウマになっていることは事実だが、そこから生まれる私の行動こそ、自分で自分を闇へと連れ込んだ。
中学までの思い出ってなんだろうと心に問いかけながら、卒業式を迎え、高校生活が楽しいといいなって、キラキラした青春を描いて、春休みを過ごした。
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