第二章 「恋だの愛だの、関係ない」
「穂香?大丈夫か…?」
冷んやりとした温もり。
他の誰かに犯された一線。
それが少女にとって、最大の傷跡だ。
「嫌…!!来ないで!!!お願いだから、触らないで!!!」
穂香の身体は、ビクビクと震えが止まらなかった。
穂香の正常な精神状態は、アレクにレイプされたことによって、一気に崩れ出た。
「穂香、俺だ、和誠だ!!落ち着け!!」
「嫌…!!触らないで。体…汚いから」
「安心しろ。俺だけを見ていろ。俺にとって、恋だの、愛だの、関係ない」
恋愛、失恋、愛情。
好意、悪意、希望、失望。
レイプ、麻薬、束縛、監禁。
和誠とアレク…二人にぴったりで、当てはまるいくつもの単語。
それが、和誠とアレクが穂香だけを愛してる証拠の数々だ。
「和誠さんは、優しいほうですか?」
「たまに…な」
「まさか、アレクが出て来るとは思ってもいなかったよ」
「アレクが出て来てる時の事は、俺の記憶には一切残らないんだ」
「そ…そんな!!」
二重人格。
乱暴で、一筋だけど、自分勝手なのは全く同じだが、唯一違うのは、少女に対する呼び方だ。
和誠だと「穂香」と『下の名前呼び捨て』、アレクだと「穂香さん」と『さん付け』で呼んでることが分かった。
「アレクさんが、私の体を無理矢理…」
「!! な…なんだと?」
穂香は、コクリと小さく頷き、和誠は、激怒した。
だけど…。
「和誠さん?どうかしましたか?」
「なら、俺でもいいよな?」
「え?で、でも…」
「なんだ?アレクの奴なら良くて、俺はダメのか?」
「いいえ、そうじゃないんです」
「なら…」
「始めるぞ」
唐突に、始められる秘め事。
穂香は、和誠につられて、息を合わせた。
「穂香?大丈夫か?」
「へ…平気です。だから…進んで下さい」
「分かった」
ここまでの行動は、全て和誠の方だ。
だが、いつアレクが出てくるのかと穂香は、不安でいっぱいだった。
「んんっ嫌だ、和誠さん、待って…」
「なんだ?感じてるのか?アレクと俺の…どっちがいいんだ?」
「わ…分かりません。ただ…あっんんっあ…」
ここから、もうとっくに彼の罠に落ちしまった。
堕落して、恋して、愛されて、乱暴で、過激なラブストーリー。
だけど、彼にとって、私はただの玩具だった——
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