第28話 ささやかな贈り物

「こいつ等が果工兵か」


 俺の前には数十人の新しい果実兵達が整列していた。

 彼らはそれぞれ手にスコップやツルハシといった工具を掲げていた。


「はい、彼等は戦闘能力こそ乏しいですが、その代わりに様々な作業に精通しています。彼らが居れば、町の周辺も綺麗に整地される事でしょう」


 なるほど、作業特化型の果実兵か。

 ゴブリンや領主と言った敵がいなくなったこの状況なら、生活環境を改善してくれる新しい果実兵の存在は非常にありがたいな。

 

「では出動!」


 リジェの号令に従い、果工兵達が町の外へと向かってゆく。

 場所を移して防壁の上から外を見ると、さっそく果工兵達が町の周囲の草を移動させたり、大きな石や岩などをどけたりしている。

 そして後続の果工兵達が整地した道に石を敷き詰め、石畳が少しずつ出来てゆく。


「これは凄いなぁ」


 こうして石畳が出来てゆく光景を見ると、町って感じがしてくるな。


「また、町の外に整地した場所には各種店舗や宿をお母様に実らせてもらい、ある程度施設が揃った時点で新たな防壁を建造します」


「防壁を増やすのか?」


「はい。現状の防壁では有事の際に町民が避難するには狭いですから。必要な施設を作ったあと、更に今後他の建物を追加する為の空間の余裕を確保した防壁にする予定です」


「そこまですると新領主が怒らないか?」


 俺はあくまでこの町の管理人だからな。あまり町を拡張しすぎると領地を侵略していると警戒されそうで怖い。


「それは問題ないかと。国の使者からはハーミト村周辺の管理人として任命されましたが、厳密な範囲は指定されておりません。それにこの町の住人は複数の町や村から逃げてきた難民達で溢れていますから、それらの町を全て足した規模、更に人が増えた分必要な動線を確保できる道や広場などのスペースが必要になります。当然有事の際に逃げ込み集まる避難場所も必要になりますね」


「つまり理由があればいくらでも増やせると?」


「と言うよりも、人が増えると、その分施設が大型化しますので、嫌でも広げる必要があります。例えば馬を休ませる厩舎などの施設にしても、町一つで必要とされる平均ではなく、町の規模に合わせて流通が増えた時に備えないといけませんから」


「それは心配要らないんじゃないか? この町は町といっても街道から外れた僻地だし。寧ろ将来的には不便さから他の町に出ていく事になるんじゃないかな?」


 実際、避難してきた商売人達はそうするだろうな。そして商人が減れば、若者も外に出ていくだろう。それに故郷に帰りたいという人も出てくるだろうし、最終的には人の数は減っていくと思う。


「さて、それはどうでしょうね」


 しかし、リジェは意味深な笑みを浮かべるばかりだった。


 ◆


リジェ達が街道整備を始めてから、暫くが経った


「なんかここ数日で妙に人が増えたなぁ」


 そう、このところ、外からやってくる旅人の数が増えてきた。

 恐らくは、周辺の町や村が壊滅して、ここに避難したという情報が伝わったからだと思う。


 そして避難してきた人々の家族や知人が訪ねてきたり、この村がどのくらい僻地にあるのか知らない商人達が新しい販路を求めてきたというところだろう。

 まぁこの町の僻地っぷりを知ったら、二度とここにはやってこないだろうけどな。


「しかしリジェが宿や厩舎を増やしてくれて助かったなぁ」


 最初リジェがラシエルに頼んで実らせてもらった宿を見た時は驚いた。

 なにしろどこの貴族の屋敷かと思うような豪邸だったからだ。

 それが町の各所に何軒も。


 一応それぞれの宿で内装は違っており、大きな部屋の金持ち用の宿や、小さな部屋が沢山ある旅人用の宿などに分けて作ってもらったとの事だったが、それにしたって多すぎだろうとその時は思った。


 だが実際に人が来るようになると、この宿の数でもギリギリで、リジェはまだ宿を増やすと張り切っている。

 正直今だけの混雑だろうから、あんまり作る必要もないと思うんだが……


 ◆


「と思ったら、まだ増えてるよ……」


 それからさらに数日後、人の数はさらに増えていた。

 リジェが宿を増やして居なかったら、道端で野宿をする人間が出ていたところだ。


「にしても増えすぎじゃないか? これじゃまるで大都市の賑わいだぞ?」


 事実、大きめに作った筈の大通りは人で溢れかえっており、まるで祭りの日のようだ。


「店もにぎわっているなぁ」


 大通りに面した店は仕入れや販売に来た商人達で賑わっており、活気に満ちている。

 ちなみに、この町での商売を希望した商人や職人達には後払いで必要な道具や商品を与えてある。


 一応俺が領主の様な立場になったので、それぞれの町で生き残った有力者達と相談して決めた事だ。

 町の住人が耕している農作物が実るのはまだまだ先だが、やはり経済が成り立たない状況では人心が安定しない。だから俺に借金をする事で、生活基盤を整えたいと頼まれたのだ。


 この辺りについてはリジェやカザードとも相談してみたが、二人も住民に仕事が出来るのは良い事だから受けて問題は無いとお墨付きをもらった。

 なおその際にはちゃんと利息を要求するようにとも念を押されたが、その辺りは俺も理解できる。


 人間無償の善意に見える行動程怖い物はないからな。

 特に商人なら後で何を要求されるかと怖くなって当然と言う事だ。


「まぁこの人だかりも今だけの事か。もう暫くしたら落ち着くだろ」


 そんな事を考えながら町の様子を眺めていたら、果実兵からイブンがやって来たと連絡が入った。


 ◆


 俺は新しく世界樹内に作られた応接間へとやって来た。

 というのも、これだけ人が増えると、俺の部屋に直接人を呼ぶわけにもいかないからだ。

 代わりに元の俺の部屋は世界樹の中層に移動し、行き来は世界樹の枝が渡し舟のように運んでくれる仕組みになっている。


 既に応接間にはイブンの姿があり、果実兵が用意した紅茶を飲んでくつろいでいた。

 イブンは部屋に入って来た俺に気づくと、すぐに立ち上がってこっちに近づいてくる。

 

「よう、随分と早かったな」


 事実、最初にこの町に来てから二度目に来た時よりも、三回目の今回の方が日数が短い。

 頼んだアレを用意する為に随分と急いでくれたみたい……。


「何で道が繋がっているんだい!?」


「へ?」


 道? 何の事だ?


「いったい何の話だ?」


「道だよ道! トロトルの町からこの町に繋がる新しい街道の事だよ!」


「新しい街道!?」


 なんだそりゃ!? この町に繋がる新しい街道だって!?


「いつの間にそんなのが出来たんだ?」


「それはこっちの話だよ!」


 イカン、サッパリ話が見えない。


「落ち着け。まずは詳しい話をきかせてくれ」


 正直なんのことだかサッパリだ。

 俺はイブンを椅子に座らせると、新しい街道とかいうものについて詳しい話を聞くことにした。


「君に頼まれたものが改めて準備できたから、改めてこの町に向かっていたんだ。そしたらトロトルの町の先にある街道沿いに見慣れない看板と道が出来ていたんだ」


「見慣れない看板と道?」


「そうさ。そしてその看板にはこう書いてあった。『ハーミトの町方面』と」


「この町!?」


「僕も最初は首を傾げたよ。けどもしかしたら僕の知らない古い道があって、例の難民騒動で古い道を使えるようにしたのかなって」


「いやいや、そんな道知らないぞ俺」


 このハーミト村、いや町に来るには、いつも通りの細くて草に覆われた道をかき分けてこないといけない。

 そんな便利な道があったら、村だった頃でももうすこしにぎわっていた筈だ。


「けど、すぐにおかしなことに気づいたんだよ」


「おかしなこと?」


「そうさ。古い道を復旧しただけなら、労力を考えてもせいぜい草を刈って道の体裁を整える程度だろう。だけどあの道は違った。だって道全体に綺麗な石畳が敷き詰められていたんだから!」


「石畳だって!?」


 おいおい、石畳なんて王都かごく一部の大都市間の主要街道くらいにしか敷かれないぞ。

 予算的な意味でもこんな田舎町に来るための道に敷くとか正気の沙汰じゃない!?


「だがそれだけじゃなかった」


「まだあるのか!?」


「僕達がその街道を進んでいくと、反対方向から来たらしい商人の馬車が休憩をしていたんだ。僕はこれ幸いと、その商人に街道の事を聞くと、彼は驚くべき事を告げたんだ」


「驚くべき事?」


「ああ、自分は、魔物の襲撃で壊滅した街道の手前にあるソレルの町から、この道を通ってやって来たと!」


「ソレルの町からだって!?」


 おいおい、ソレルの町はこの町からかなり遠いぞ!?


「そしてその商人はこうも言っていたよ。長年あの街道を使って来たけど、こんな街道がある事は知らなかったし、そもそもいつもの街道には存在しない枝道が出来ていたビックりしたって」


 それはつまり……


「街道沿いの町が壊滅した後で、突然新しい街道が出来たって事か?」


「どうやらそうらしいよ」


 なんだそりゃ。街道がそんな短期間で出来たっていうのか!?

 いやいや、ありえないだろ。

 それにトロトルの町も確か壊滅した町のひとつ向こうにある町だった筈だ。

 都合よく壊滅した町だけを迂回するようなルートが出来ていたとか、一体どういうことだ!?


「本当に知らないのかい?」


「今初めて知ったよ」


「そうか、セイルも知らないのか……」


 うーん、一体どういうことだ?

 俺の知らない間にこの町に通じる道?

 そんなもん、一体誰が作ったんだ?

 しかも石畳の道なんて……


 ん? 石畳?

 そういえば最近そんな光景を見たような気が……

 どこで見たんだっけ……?


 俺は記憶を掘り起こして、つい最近見た石畳の道を思いだす。

 ここ数か月はこの町から出ていないから、王都に行った時の記憶か?

 いや違うな。王都に行ったのはだいぶ前だ。

 記憶にあるのはつい最近だ。

 そうつい最近。それもかなり最近の気が……


「……っ!」


 そこまで思い出した俺は、ある言葉を思い出した。


『このハーミトの町周辺の道を整備する事を提案します』


「リジェ達かっ!」


 俺はすぐに果実兵にリジェを呼んでこさせる。


「お呼びですか我が王?」


 およびですかじゃないよ。


「リジェ、もしかしてトロトルの町からソレルの町まで続く街道を作ったりしてないか?」


 いくら何でもさすがにそれは無いんじゃないか思いつつ聞くと、リジェは満面の笑みを受かべてこう言った。


「はい、旅人がこの町を経由して壊滅した町を迂回できる街道を作りました!」


 やっぱりかぁぁぁぁぁぁぁっ!!

 おかしいと思ったんだよ! 町の周辺だけって割には石畳をずっと敷き続けてたから。

 けどそれもやって隣の村までだろうなと思ってたら、まさかそんなところまで道を広げていたのかよ!


「どういうことだ!? 道の整備は町の周辺だけじゃなかったのか!?」


「はい、ですから両隣の町との街道を整備しました。近隣の町は壊滅していましたので、一番近くにある壊滅していない町まで道を広げたのです」


 あーなるほど、確かに間に他の町がないから近隣の町まで道だねー。

って、それもう整備ってレベルじゃないから! 完全に新しい道が開通してるじゃねーか!?


「っていうかどうやってこの短期間にそんな長い街道を作ったんだ!?」


「え? この人があの道を作ったの? マジで?」


「はい、果工兵に命じて、夜通し道を整備させて作りました。お陰で数日前に道が開通した次第です」


 もう少し果実兵達を休ませてあげて!

 しかし数日前っていうと、ちょうど町が賑わいだした頃か……


「まじかー……」


「勿論当初の予定通り、カッツ殿たちの村も経由しております。その分この町に直通のルートを作るよりも道が長くなってしまいましたが」


 あー、町への道が整備されればって、近隣の町からカッツ達の村を経由した道を作るからって意味だったのか……


「あははっ、良く分かんないけど凄いねこの人。ビックリしたよ」


 俺もびっくりしたよ!


「……もしやご迷惑でしたか?」


「え? あーいやなんというか……」


 迷惑とか迷惑じゃないとかそういう次元じゃなくて……うーん、なんていえばいいんだコレ?


「でも僕は助かったよ」


「え?」


 イブンの言葉に俺は驚きを感じる。


「だって新しい街道が出来た事で、今までより早くこの町に来ることが出来るようになったし、そのおかげで盗賊や魔物の心配もかなり減ったからね」


 むっ、確かにそう言われればそうか。

 街道の整備はイブンがこの町に来やすくする為でもあったわけだしな。


「……はぁ。助かったよリジェ。ありがとう」


 そうだな。想定外の結果になったが、リジェはちゃんと説明をしてくれていた。

 単に俺がその規模を図り損ねていただけだ。

 そしてそのおかげでイブンの役に立ったし、旅人が再び安全に旅が出来るようになった。

 トンデモナイ事をしたけど、誰も迷惑はこうむってないし、寧ろ得をしたんだから、リジェを責める必要なんてない。

 だったら、感謝の言葉を贈るのが道理というものだろう。


「もったいないお言葉です」


 自らの仕事を褒められ、リジェが微笑みを浮かべる。


「はぁ……できればもうちょっと詳しく説明してほしかったところだけどな」


「はははっ、でもそのおかげでコレを早く届ける事が出来たんだからさ」


 と、イブンが横に置いていた箱をテーブルの上に置く。


「ああ、悪いなイブン」


「まったくだよ。でもまぁ、そのおかげで便利な道が出来たんだからトータルとしてはプラスかな」


 それトータルとかいうレベルのプラスなのか?

 俺は気を取り直すと、果実兵にラシエルを呼んでもらう。

 するとすぐにラシエルが応接室にやってきた。


「はーい、何ですかお兄ちゃん」


 目の前までやって来たラシエルに、俺はイブンから受け取った箱を差し出す。


「はい、プレゼント」


「プレゼント……ですか?」


 箱を受け取ったラシエルは、一体何事かと首を傾げつつも箱を開ける。

 するとその中から出てきたのは……


「わぁっ! ドレスです!」


 そう、それはラシエルのサイズに合わせて用意されたドレスだった。


「これを私に!?」


 ラシエルが目を丸くして俺に確認してくる。


「ああ、ラシエルにはいつも世話になっているからさ。イブンに頼んで用意してもらったんだ」


「ラシエルちゃんが予想以上に成長していたから、ちょっと焦ったけどね」


 それは黙っとけ。


「私の服……」


「ラシエルの服はいつも着ているそれだけだろ?」


 実際、ラシエルの服は世界樹の成長とともにサイズこそ大きくなったが、そのデザインはずっと同じだ。


「ラシエルは女の子なんだから、色んなオシャレを楽しんでもいいんじゃないかなって思ってさ」


 だから俺は、イブンに頼んでラシエルに似合いそうな服を用意してもらったのだ。

 ……まさかドレスを用意してくるとは思っていなかったが。

 俺は普通にオシャレが出来る予備の服があればいいんじゃないかなって思っただけだったんだが……


「……」


 ラシエルは無言でドレスを見つめている。


「ど、どう……かな?」


 反応が無いと凄く不安なんだが……

 と、思ったら、ラシエルがドレスをぎゅっと抱きしめてこちらを向いた。


「ありがとうございますお兄ちゃん!」


 その表情は眩いばかりの笑顔で、与えられたドレスを心から喜んでくれたようだった。

 ……ふぅ、良かった。


「ああ、喜んでもらえて何よりだよ」


「着替えてきてもいいですか!?」


「ああ」


「待っててくださいねー!」


「あっ!? 待ってくださーい!」


 ラシエルが応接室から駆け出してゆくと、リジェと果実兵が慌てて追いかけてゆく。

 そして暫くしたら、ドアを吹き飛ばさんばかりの勢いで戻ってきた。


「どうですかお兄ちゃん!」


 駆け込んできたラシエルは、先ほど渡したドレスを身に纏っていた。

 いつものシンプルなワンピースとは違う、貴族のお嬢様の様な華やかな姿。


「ああ、とてもよく似合っているよ」


「っ!! えへへ……」


 はにかむ笑顔はとても愛らしく、その笑顔に俺は……今は亡き妹の影を見た。


「エリル……」


「え?」


「ああいや、何でもない」


 いかんいかん。この子はラシエルであって、妹じゃないんだ……ないんだが、何故こうも妹の事を思い出してしまうのだろうか……


「良いなぁ」


 と、リジェがボソリと呟く。


「私もオシャレがしたいですよ」


 む、これはしまった。リジェの分も用意してもらうんだったか。


「はははっ、貴方が女の子というガラです……かっ!」


 と、カザードが最後まで言い切る前に、リジェの槍が奔る。

 だがそれを手の平に発生させた魔法陣でカザードが受け止めた。


「ふふふふっ、どうやら命が惜しくないようですね果術将」


「ははははっ、母上に嫉妬とはみっともないですよ果実将」


「ふふふふふっ」


「はははははっ」


 二人がジリジリと力を込めながら、一進一退のやり取りを繰り広げていると……


「二人ともお座り!」


「「はいっ!!」」


 柳眉を吊り上げたラシエルの一喝を受け、二人は即座に正座した。


「お兄ちゃん」


 ラシエルが俺をの前に立ってクルリと回ると、ドレスのスカートがフワリと翻る。


「ありがとうございます!」


「どういたしまして」


うん、喜んでもらえて何よりだ。


「あとこれはウチの父さんから」


 パンパンとイブンが手を叩くと、イブンの後ろに控えていた従者が大きな箱を運んで斬る。


「親父さんから?」


「うん」


 箱を開けると、中から大量の女ものの服が出てきた。


「これは!?」


「僕から聞いたラシエルちゃんの特徴をもとに、父さんが似合いそうな服を見繕ったんだよ。初孫祝いだってさ」


「待て! 何だ初孫祝いって!?」


「父さんにとってセイルは息子同然だから、セイルの娘は俺の孫だ、だって」


「なんだっそりゃぁぁぁぁぁぁっ!!」


その後、イブンの誤解を解くのにかなりの時間がかかったのは言うまでもない。


◆???◆


「ここがハーミトの町……」


 遂にこの町へとやって来た。

 予定ではもっと時間がかかる筈でしたが、まさかあの様な道が出来ていたとは……

 ですがそのおかげで予定よりも早く到着出来たのですから、感謝するべきでしょう。


「そして、この大樹が世界樹……」


 町に近づく前から目立っていましたが、近くで見るとその荘厳さに圧倒されるばかりです。

 とはいえ、いつまでも世界樹に見入っている訳にも行きません。

 やるべきことは山の様にあるのですから。


「まずは拠点となる宿をとらないといけませんね」


 宿を探しに向かう前に、私はもう一度だけ世界樹を見上げます。


「この町の管理者とされる人物が、世界樹の王として認められた者という話ですが、一体どのような人物なのでしょう」

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