行間2
「まったく、人間って奴はすごいよ。僕の
「どう思うって、私には
.....理解したくもないけど。それと、月詠ちゃんなんてアダ名で呼ばないで。吐き気がする」
さまざまなインテリグッズが揃うとあるマンションの最上階の1室。
部屋の中には2人の男女。
どちらも
月詠ちゃん、と呼ばれた黒髪ロングの女性は、月詠ちゃん、と呼んだ黒髪短髪の男性の方を向かずに、PCボードとPC画面を映し出した映像らしき物をカチャカチャと奇妙なPCを
「ちぇっ。つれないなー月詠ちゃんは。僕と君の仲じゃないかっ」
「気色悪いわよ
「ヤダ。面倒臭い。僕の本名なんて、たまたま知ってしまうので十分さっ!」
黒髪短髪の男性はそう言うと、座っていた黒色のソファーから
夜の街を照らす
「今回の件。貴方が
「あるさ。14区のど真ん中にある
「──奇妙にね。今回の件だけど、貴方じゃなくても良かったんじゃないの?」
「そだね♪.....だけど、するなら僕が良かった。それだけだよ。.....それに今回の件で彼らの物語が次へと1歩進むんだ。楽しみだよ。──本当にね」
「──ッ!?」
ふと見えた彼の表情に
──本当に気色悪い人。
と、彼女は再確認する。
「後はま〜、
「うるさい黙れ。.....私は
「しないよ〜。僕がそんな悪い人に見えるって言うのかい?」
「ええ」
「酷いな〜」
「( 自分で言ったんだろうが)」
感情が篭っていない言葉に若干呆れるが、今
に始まった事では無いので
「.........!」
何の脈絡も無く月詠ちゃん(?)は回転椅子をぐるっと回した。
月詠ちゃん(?)の満足顔に黒髪短髪の男性は小学生かよ、と心の中でツッコム。
何周かした回転椅子は次第に遠心力が落ち、ちょうどぴったりに月光に照らされた男性の正面に止まる。
結局、あの奇妙な行動にはどんな意味があったのか、彼でも想像できず、知っているのは彼女だけだった。
「〜〜♪(満足顔)」
「(意味なんて無いんじゃないか?)」
彼女の評価を改めるべきかもしれない、と
「.............」
「.............」
向き合うかたちとなった、黒髪短髪の男性と黒髪ロングの月詠ちゃん(?)。
会話は無く、レトロな時計が
常人ならこの二人の静寂に胃をキリキリと痛んだ事だろう。
二人の間に居心地悪さは無い。
“客”が来なければ、部屋にいる時間を二人で過ごすことになるのだから。
と、月詠ちゃん(?)は嘆息する。
しばしの沈黙を
「さっき、貴方が仮名で所属している
「へ〜」
「.........出るのはいつも私だけど。」
「苦労をかけるね〜」
「.........公園での調査についてだったけど、私が『こちらも独自で
「ありがとう。仕事が早いね〜」
「(ブチッ)」
むかついたので、1発殴った。
後悔は無い。
とても清々しい気分だ。
「それと噂程度なのだけれど、先日、【
「知ってるよ。だって、互いに衝突するよう
「.........!」
「驚くなよ。理由があってやった事だ」
「.........理由を聞いても?」
「え〜どっしよっかな〜。
「(ブチッ)結構」
後悔は無い。
とても清々しい気分だ。
「いっ、痛って〜。酷いな月詠ちゃん。2回も殴るなんていけないんだゾ☆」
「(ブチッ)」
超むかついたので、3発目を殴った。
後悔は無い。
とても清々しい気分だ。
「ったく、冗談が分からないなー。月詠ちゃんは.....」
「冗談は嫌いなの。.....話しの続きだけど、衝突とした【
「だろ〜ね。【
「.........貴方、もしかしてソレが目的で.....」
「さぁ〜、どうかな?」
黒髪短髪の男性は、ニヤニヤと笑いながら特殊硝子から見える景色を見下ろす。
その顔を見て、
「見ろよ月詠ちゃん。
「さぁ、どうでもいいわ。そんな事」
月詠ちゃん?は、短く区切り、黒髪短髪の男に興味無しの態度をとる。
黒髪短髪の男性も想像通りの対応で特に何とも思っていないようだった。
「人ってさ、何で高い所から自分以外の生命を見下ろすのが好きなのか知っているかい?」
「さぁ、どうして」
「
黒髪短髪の男性は
自分は神だ。自分は王だ。傍からはそんな
──しかし、彼女だけは違った。
「貴方、本当に生命が大好きなのね」
月詠ちゃん?は、誰にも聞こえない声量で一言だけ
黒髪短髪の男性が何を言っても、何も反応しないだろう事はわざわざ創造しなくても解った。
黒髪短髪の男性は彼女の態度を
黒髪短髪の男性は、視線を下界からデスク上の無造作に置かれた沢山の奇妙な線が書かれた紙に落とす。
黒髪短髪の口がよりいっそう口元が
その時の黒髪短髪の男性は、
黒髪短髪の男性は、手を大きく広げ、
今日.....昨日は本当に面白い一日だった。
ごく普通の少年が【
ごく普通の少年が見たことも無い『能力』を使う男と
それ以外も沢山の出来事があったが、この二つは特に面白かった。
その出来事はこの男の
「──そうだ!僕は
静寂の空間を食い破り、世界中に存在する
「そして──
嗤う。嗤う。嗤う。嗤う。嗤う。嗤う。嗤う。嗤う。嗤う。嗤う。嗤う。
「見よ!世界よ!僕はこんなにも生命を愛してるんだ!運命だって、必然だって?そんな『みえない力』なんてクソくらえだ!」
誰にも渡さないぞ。
彼らは僕のものだ。
神だろうと、王様だろうと、
「僕は『人間』だーーーーーッ!!!」
「
そんな彼の姿を
「──気色悪い人」
相も変わらずの毒舌家だった。
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