私の青春をあげる
@Re-no
第1話 白色
出会いは突然だった。
学校までの通学路
いつも閉まっていたシャッターが開いていたから、ただそれだけ。
少し気になってシャッターの中を覗いたらあの人がいた。
私より少し背が高くて、綺麗な茶色の髪の毛。
作業着をきてバイクをいじるその姿がかっこよくて、
キラキラ、チカチカ
まるで、その人にだけフィルターがかかったみたいに目が離せなくなった
シャッターの向こうを今まで気に留めずに通り過ぎていた過去の自分が馬鹿みたいだと思った。
その人が私に気づいて視線がバチッとあったその瞬間
私の中で何かが弾けたみたいな感覚が襲ってきて…
私は初めてあったこの人に
恋してしまったんだと自覚した。
___
「ヨシさん、こんにちは」
「また来たの。ヤンキーちゃん」
「ヤンキーって呼ぶのやめてくださいよ、私の名前は七海です」
「はいはい。ヤンキーななちゃん」
怒る私を見てケラケラ笑うヨシさん。
黒髪、膝下スカート、無遅刻無欠席の私をヤンキーだなんて失礼な
「優等生はこんな所に来ません」
「バイク好きな優等生だっています」
ヨシさんは主にバイクの改造、修理をするバイク屋さん。
本当はバイクじゃなくてヨシさん目当てでここに来てるんだけど、それは内緒。
ヨシさんは見た目はイケイケなお兄さんっぽいけど話してみるとけっこう真面目で、タバコも吸ってるけど私の前じゃ絶対吸わない。そんな人。
「ヨシさんはバイク乗らないんですかか?」
「今は乗ってない。昔は乗ってたけど」
「なんで乗らなくなったの?」
「んー、?」
そう言うとヨシさんは立ち上がって
自販機の前まで行って「何飲みたい?」と首をかしげる。
会話をあからさまにそらされた…
私には言いたくないのかな。
知りたいけど、面倒くさい奴だと思われたくないから聞かないことにした。
ヨシさんがコーヒーを買ったのを見て
「私もコーヒーがいいです」
「りょーかい」
ほら、とヨシさんは私にコーヒーを差し出す。
本当はコーヒーなんて飲んだことない。苦いのも嫌い。
だけど大人なヨシさんに少しでも近づきたくてコーヒーを選んだ。
私の青春をあげる @Re-no
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