144冊目 夜の扉はかく開けり
どうも、吾輩です。
本の感想を書きます。
このエッセイ内で、やたら人気な記事のひとつに「ラストハウスオンザレフトが萌え映画過ぎる件」がある。これ自体は外部からの検索で人が流れてきて人気に見える(※)のだとご指摘いただいたが、懲りずにまた感想を書こうと思う。本の。
今宵のお供は図書館から借りた井上雅彦著「夜の欧羅巴」。ご承知のことと思うがヨーロッパと読む。吾輩、井上先生好き好き大好きの大ファンであるからして、この本もこのたび初めて読んだのだが大大大好きになってしまった。手元に欲しいくらいである。
当たり前だが一冊丸ごと井上世界、どこを切っても井上節。端々から蕩けるクリームのように耽美な語群、錆びつけどもあくまで美しいモチーフの数々。美しさがすぎて頭がおかしくなってしまいそうである。もうなったかもしれない。
話の筋は、主人公である少年が行方不明になった母を助け出すため頑張る話だ。そのままでも読めるが、古典怪奇の前知識があるとより気持ちよく読める。主人公、レイの母の愛称ミラルカ、その親友クラリモンド、トランシルヴァニアの大公、鼠を操る笛吹きに、地下水路でアリアを歌うもの、霧の殺人紳士……プラハの泥がわかったときの快感はその筋の同志になら理解できるであろう。再推しの大公があまり活躍しなかったのはちょっとさみしいところだが、重鎮というものはあまり前に出てこないものだ、と納得することにした。
また、本書に登場する架空の
氏の編集された怪奇短編集、異形コレクションシリーズもホラー者なら買いですぞ(小声)。
※ 外部からの検索で人が流れてくる
google検索で「ラストハウスオンザレフト」1ページ目に堂々食いこんでいた。マジか。
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