117冊目 それは嘲笑のみならず
どうも、吾輩です。
10月も半ばを過ぎて、すっかり空気は秋模様。
涼しい夜に帰り道で深呼吸をすれば、肺腑に満ちる空気は秋の匂いを孕んでいるはず。
つまり――間もなく、冬が来るのです。
雪が降り始めるころになると、TL(※1)にてしばしば流れてくるネタがある。
その名も「北から目線」。
なにぶんTwitterで拡散されていった概念なので、言い出しっぺが誰か、どういう経緯で広まっていったのか、吾輩は知らない。
あまりいい意味の言葉ではない。「北国に住んでいる人たちが、そうでない地域の寒さへの愚痴や雪による交通麻痺を”上から目線”に嘲る」というところから生まれた言葉らしい。
「その程度の雪で電車止まるとかwww」
「は? 気温プラスでしょ? なんで寒いの?」
といった攻撃的ともとれる(事実、発言者の一部は攻撃的に発言している方もいるだろう)発言をする方はままいるが、そのすべてが「嘲笑」込みで発言しているわけではないと、わかってほしい。
かくいう吾輩も、SNSではあまり言わないが、内地(※2)に住む友人との会話で「ほんとに電車止まるんだ! 積雪は? 1センチ? ウヒョー!!」みたいな話をすることはある。
だが、吾輩に嘲る意図はない。
なんというか、完全に「外国」として見ている(※3)のである。「エジプトの砂漠には雪が降らないんだ!」くらいの認識で、「そりゃ、普段降らないところに雪降ったら大変だよね」くらいの認識なのだ。
だから、北海道を含むすべての雪国民が嘲りを含んだ北から目線を向けているとは思わないでほしい。
単に、異文化に対する驚きなのだ。
だって、冬靴の底にゴム貼ってないんでしょ(※4)?
※1 TL
タイムライン、と読む。
Twitter用語。
たくさん投稿があって次々にさっきの投稿が埋もれていく様子を「TLが早い」と表現したりする。
※2 内地
北海道では本州をこう言う。
つまり、北海道は「外地」なのであろうか。
※3 完全に「外国」として見ている
悪友へびやまくんは、ことあるごとに北海道を「殆どロシア」と表現する。吾輩は吾輩で、本州を「海の向こうだから海外」ということがままある。
※4 冬靴の底にゴム貼ってないんでしょ
関東在住の友人から、「こっちの冬靴は単にあったかい靴を指す」と聞いたことがある。
雪国の場合、凍結路面で転倒しないように冬靴といえば生ゴムが張ってあるのが常。スパイクがついていることもある。
でも、転ぶときは転ぶ。
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