115冊目 脅威は突然やってくる
どうも、吾輩です。
前回のおまけ的な何か。
締切は静かにやってくるが、締め切りを守ることを脅かす脅威は突然にやってくる。
ひとくちに「締切を守れなかった」といっても理由は様々。
単にさぼってしまったり、自分の筆の速さを過信しすぎたりといった、全面的に自分が悪い場合もままある。が、予想できないところから脅威が降りかかる場合も、ままある。
完成したアナログ原稿を汚してしまった、デジタル原稿ならPC壊れてデータ喪失、原稿そのものへの被害でなくても、急に仕事が忙しくなって作業できる時間が減った、人間関係のトラブルで原稿どころではなくなった、等々、客観的に見て「これは締切守れなくてもしょうがないよ……」といった事態は起こりうる。
ひとつ事例を紹介しようと思う。吾輩の実体験だ。吾輩は反則技を使うことによりなんとか締め切りに間に合わせたが、反則なので真似はしないように。万が一してしまっても、公言は、しないように。
吾輩はその時、新刊のコピー本を持って同人誌即売会へ参加する予定だった。表紙や事務ページも含めて原稿は完成しており、イベントは2日後。前回申し上げた通り、少部数のコピー本なら製本に時間はかからない。また、吾輩は元文芸部で、文芸部誌が手製本だったのでその辺はお手の物だ。問題なく間に合うはずだった。
今晩は印刷だけして、明日、仕事から帰ってきたら製本しよう。
そう思って原稿をコピーしようとした。
が、できない。
エラーメッセージが出る。
この時点ではまだ状況を甘く見ていた。吾輩はそのエラーメッセージでググり、解決方法を探した。どこか押せば直るだろ、くらいに思っていた。
調べれば調べるほど、吾輩の動悸は激しくなっていった。
検索結果を総合してわかったことは
・このエラーメッセージが出た場合、自力修復はほぼ不可能。
・修理に出せば直ることもある。
・だが修理費用は高いので、新しいプリンターを買ったほうが良い。
色々な考えが吾輩の脳裏を駆け巡った。そして吾輩は反則技を使うことを決意し、その日はすみやかに寝た。
反則技とは「ずる休み」である。
吾輩は仮病で仕事を休み、近く(といっても電車で2駅)の電気屋へ赴き、プリンターを購入した。配達を頼んでいたのでは間に合わない。箱に持ち手を付けてもらって指がちぎれるんじゃないかと思いながらなんとか駅まで行き、タクシーを拾って帰った。そして印刷、製本。
イベントには間に合ったが、予想外の出費と罪悪感を覚えた初夏の一幕であった。
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