58冊目 公式と二次の間で

 どうも、吾輩です。

 二次設定に翻弄される(というほどでもないが)の話です。


 二次設定とは、文字通り二次創作における設定である。

 10冊目 隙こそ萌えの上手なれ で「公式設定の隙間を自分好みの設定で埋める」という話をしたが、その結果付与された設定である、と言えよう。

 「公式では言及されていないが実は料理上手」程度の付加要素から「公式では気弱で優しいけれど本性は腹黒」というキャラの根底を覆すようなものまで様々だ。またキャラクターではなく、世界観そのものに独自設定を盛り込んだ作品も存在する(※1)。


 二次創作で二次設定を用いることは別に問題ではない(二次創作そのものの是非はここでは問わない)。その設定が好きな人へのアピールと苦手な人の地雷除けのために一言書いておくとなおいいと思う。


 この二次設定、混乱を引き起こすことがある。

 今回のタイトルからお察しいただいているかもしれないが、公式との混同である。


 例えばAというキャラの二次創作作品を10作見て、うち8作で「Aは料理上手」という二次設定が使われていたとする。

 勘違いしてしまいそうではないだろうか。

 あまり原作を読み込んでいない、Aに興味が薄いといった場合はもちろんだが、ゴリゴリのA信者であったとしても気が付いたら当然のように「Aは料理上手」と思い込んでいる、なんてこともある。


 料理上手くらいなら可愛いものだが、それこそキャラクターや世界観の根幹にかかわる二次設定が流行して「当たり前」であるかのように扱われると、その設定が好きなものとそうでない者との間で決裂が起きかねない(※2)。

 また、二次設定だったものを公式が取り込んでしまうことも最近ではちらほらあるので、二次設定におけるカオスの度合いは増すばかりとなっている。


 二次設定。

 用法・用量を守って楽しもう。


※1 世界観そのものに独自設定

 ソシャゲの二次創作に多い気がする。

 それ以外だと、全く違う世界観同士でクロスオーバーを行う際とか。


※2 決裂

 pixivで特殊設定用の棲み分けタグが作られたりする。

 主な作者への誹謗中傷やそれに対する擁護で戦争状態になることも。

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