42冊目 許容範囲と守備範囲
どうも、吾輩です。
似て非なるこの言葉。
腐女子的に言うとどんな感じなのでございましょうか。
こればっかりは使う人にもよりけりなので絶対これ! とは言えないのですが、吾輩の独断と偏見でざっくり分けていきましょう。
許容範囲。
「許せる」範囲である。
このCPは好きでも嫌いでもないな、というのも「許容範囲」だし、この展開はちょっとヤなんだけどまあ読めなくはないかな、というのも「許容範囲」である。
つまり「許容範囲」の外にあるものは許容できない、許せない、端的に言えば「嫌い」なのである。
守備範囲。
「好きな」範囲である。
おおざっぱにストライクゾーンと置き換えてもらってもいい。ストライクゾーン内にも「死ぬほど好き」「大好き」「好き」「好きかも」等々序列はあるが、とにかく好意を持っていることに違いはない。
ただし、膨大な知識が必要なジャンルや作品そのものがめちゃくちゃ長い場合「そのへんはまだ勉強してない/読んでないので、守備範囲外です」という一般的なほうの「守備範囲」が使われることもある。
で、この「守備範囲」。
年々広がっていくのは吾輩だけであろうか。
オタク暮らしも長くなると、好きな作品、好きなキャラを複数渡り歩いてきた人がほとんどである。中には「10年同じジャンルで同じCPです」という方もいるが、少数派。
だがたくさんのジャンルに触れても、傾向がぶれない人というのはいる。
例えばどのジャンルでも「ライバル×主人公」のCPを描き続ける人とか。
どのジャンルでも金髪碧眼の素直そうなコがいたらハマる人とか。
ちょっと趣旨から離れるのだが、どのジャンルでも自分の意志で、自分の萌えではまった推しが超人気キャラで「pixiv作品多すぎて選別大変」とため息をついているうらやましい友達もいる。
吾輩も基本的な傾向はあるのだが、気付くと守備範囲が広がってしまっている。パターンとしては「守備範囲じゃないキャラを好きになる→そのキャラが持つ、惚れた属性以外も守備範囲あるいは許容範囲になる→萌えられるキャラが増える」という流れであろうか。
もっと具体的な例を出そう。
吾輩、最初は色白ガリガリ至上主義であった。それ以外食わねえとは言わないが、浮き上がった肋骨が血色の悪い肌に淡い陰影を描いているのは最の高である。
むろん、今もそう思っているが「至上主義」ではない。
で、HELLSING(※)を読んだ。
なぜか少佐に持っていかれた。
ご存じの通り少佐は婉曲表現でぽっちゃりさんである。でも好き! なんでかわからんけど好き! 少佐大好き(萌え的な意味でも)! となった結果、許容範囲に「太め」が追加された。
最近守備範囲に「太め」が入ってきているような気もするが……ま、それは置いておこう。
その後も覚えていたりいなかったりする経緯で「褐色肌萌え」「ガチムチ萌え」「ヒゲ萌え」「中華萌え」「軍服萌え」などが着々と蓄積されていった。
無論原点に戻って蒼白ガリガリキャラに興奮することもできる。吾輩の守備範囲はかなり広いほうではないだろうか。広範囲に萌えられる。いいことだ。
「守備範囲は広いのに何で飢えてるの?」という前述の友人の疑問には、返す言葉もないのだが……。
※ HELLSING
アクションを通り越してバイオレンスな吸血鬼漫画。同時にスタイリッシュでもあり、しかし泥臭いシーンもある。
残虐描写に耐性持ちならきっと楽しめる素敵な作品。
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