デスゲーム編

第1話 ゲーム開始

永時と海斗は机の上に置かれていた箱に手を伸ばしその箱を開けると

中にはスマホと思わしき端末と注射器?みたいな機械と説明書だった。


永時はスマホと思わしき端末を手に取り色々な視点から見ている

海斗は説明書を手に取り説明を見ている

海斗は説明に書いてある内容を永時に共有する


「永時、どうやらその端末はGESPと呼ぶみたいで、そこに自身の情報を登録するんだってさ、操作感覚はスマホに似ているらしいし、起動してみたらどうだ?」


「だな、気になって仕方ないし起動させてみるか」


ピィー.....ブゥーン...


【ハジメマシテ 朝霧永時様 貴方はまだESPcore(エクストラ・センサリィ パー・セプ・ション・コア)を導入されておりません、直ちに導入する事を推奨します】


「ん?え?なんだ?? なんだって?」


「ESPcore(イーエスピーコア)だね、箱に入っていた注射器あるでしょ、あれを自身の体に打ち込むと導入完了って事らしいよ、ん」


海斗は永時の箱に入っていた注射器を手に取り 永時に渡す


「お、さんきゅーな」

永時は海斗から注射器を手渡しされると早速打ち込もうとする


「お!おい! 大丈夫か...? そんなよくわかんない注射器...」


「試してみないとなんとも言えないな、まぁ俺が先にやるからよ、なんか変なことが起こったらお前は打たなきゃいい」


「それは俺がよくない、俺達は長い間一緒にいたんだから、こういう時も一緒だよ」


「へっ! いうじゃねーか」


永時は嬉しそうに海斗の注射器を手に取り 海斗に手渡しする


「じゃ早速やってみますか」


「うん」


二人は注射器を体に刺し、中に入っていた液体とその中に入っていた小さな石?のようなものを体に打ち込む


「・・・」

「・・・」


「思ってたのとなんか違うな」

「たしかに...」


2人の体に特別おかしな事は起きなかった

気分が悪くなるわけでもない

体のどこかが欠損しているわけでもない


【朝霧永時様、ESPcoreの導入を確認致しました】

【全ての情報を登録しました、これより先の情報は人に見られないように気おつけましょう】


永時のGESPから音声が流れた


「お、今ので導入が終わったみたいだな」


永時はGESPの画面を凝視しながら 画面を切り替えつつ 観察している


「おい海斗...これ...とんでもねぇぞ...」


「何が?」


「自分の端末見てみろよ」


永時は少し怖がっているような面持ちになりながらそう言った

海斗は自分のGESPを起動し画面を眺める


「えっ...!?」


そこには 自身の本名や性別 身長 体重 血液型 これまでの経緯などが

恐ろしい程事細かく記されていた


「遊びなんて言葉じゃ片付けられない感じになってきたなこりゃ」


「あ...あぁ」


2人は驚きつつ説明書をまだ最後まで見ていない事に気づき説明書を手に取る



【ゲームの内容をここに記します】

【ゲームの内容はこの国中のいたるところにお宝を用意いたしました】

【お宝の中身はお宝を開けた物にしかわかりません】

【お宝は金銀銅と3種類用意してあります】

【お宝の中身も金は金でも中身は別な物が入っています】

【銀や銅も同じです】

【終了時刻は明日から1週間後の9:30とし、開始時間は明日の9:30からとします】



そこには宝探しと思われるルール説明がかかれていた


「宝探しか...どうする?」


「でも俺達は学校もあるし...」


「海斗...一つ提案だ、明日の学校は休もう、俺の勘だが これはただの宝探しじゃないと思うんだ」


「俺もそんな気はするけど...」


「海斗、今からちょっとくせぇ事いうかもしれないが、割とマジに聞いてくれ」

「俺はよくバトル物のマンガとかをよく読むんだがよ、こういう場合の宝探しってのはさ、ただ物を探して終わり!って訳にはいかねんだよ」

「言いたかないが、大抵殺し合いが起こる」


「大げさじゃない...?」


「大げさであってほしいんだがな、これを見てくれ」


永時は自身のGESPの画面を見せてくる

そこには


【朝霧永時 所有ESP 1】

【凝縮】


と表示されていた


「凝縮?」


「あぁ、俺もついさっきまでは信じてなかったが 見ていてくれ」


永時は机に置かれていたコップに手を当てる

すると 置かれていたコップが一瞬でグシャッっと小さくまるまった


「...まさか...」


「ここまできたらお前も信じると思うが、さっきの注射器の直後、導入が完了と同時にこの画面が出てきた、そしてそこには凝縮と書かれていた、そして試した結果、案の定凝縮させる力を使う事できたんだ...」


「でも力が使えるからって宝探しで人殺しなんて...」


「誰しもがお前みたいに善人でもなければ純粋に宝探しをしようっていう人ばかりじゃない、もし殺人鬼がこんな力を手にしてみろ...」


「...」


永時の言葉に海斗は黙るしかなかった


「それにこの機能だ」


そういって永時は海斗に機能を見せてきた


「トレード機能?」


「あぁ、説明書を見直してよく見てみるとトレード機能というのを見つけた、この能力はトレードできないみたいだが、恐らくこの宝探しで手に入れた物はトレードできる可能性が高い、となると 金のいいものと銅のそうでもないものを、無理矢理トレードさせようと、GESP所持者を殺し奪う人がいたっておかしくない」


「たしかに...」


「今日中に自身の力を理解し、説明書をもう一度くまなく確認し、作戦をたてよう」


「このゲームには何人参加してるのかな?」


「わかんねぇ、それもすべては明日にわかる事だ」


「永時...」


「海斗、俺は今日ここに泊まるぜ」


「!」


「その方が安心だろ?」


微笑みながら永時がそういった


「あぁ...!」


海斗もそう言いながら自身の能力の画面を見る


【波崎海斗 所持ESP 2】

【吸収             ...消失】


「え?」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る