回帰ゲーム
@ArcNova
第0話 おめでとう...そしてはじめまして
一人の少年は建物の中から外を眺めていた
外は醜い状態になっていた
他の建物は崩れ去った物や、半壊しているもの
火災も数えきれないほど
煙が上がり、視界も悪い
まるで世界大戦でもあったかのような そんな景色だった
その少年はいたるところに血がついている、これが自分のものなのか
それとも他人のものなのか
そんな事はわからない、どうだっていい
少年は階段を上がっていく
そして階段を上り切り、大きな扉を開けると、奥からその少年に向けての
言葉が交わされる
「おめでとう、やっぱり君なんだね」
奥にいる何者かが少年に声を交わしているが少年はなにも言わない
「せっかくここまで辿り着いたんだもう少しお話がしたいんだけど...君は何度会っても変わらないな」
すると少年は初めて奥にいる何者かに言葉を発した
「?...何度会っても...?」
少年は奥にいる何者かに殺気丸出しといえる気迫で質問する
「君と私の仲じゃないか」
その奥にいる何者かは まるで何度も少年と会ってきたかのように話す
「お前はいったい何者なんだ!」
少年は奥のいる何者かに向かって叫んだ
その人物は小さく笑い 人差し指を此方に向け
「次かその次か、いや...もっと後か、君ならば答えを見つけれるかもね」
その言葉と共に奥にいる人物の指先が光、一瞬で少年の視界を奪った
それと同時に意識が遠のいていく、そしてその刹那聞こえた言葉
「次には辿り着いてほしいね、私という人物にでなく、真実の答えに」
そして少年は意識を落とした
チュンチュン 鳥の囀(さえず)りが聞こえる
ヂリリリリリリリン ヂリリリリリリン
「ん゛~、もう朝か...全然寝てない気がするな...体がだりぃ~」
「おっ!おはよう海斗!」
親友の朝霧永時(あさぎりえいじ)がなぜか俺の寝ている隣に座り込んでいた
「う゛ぉぁぁぁぁぁ!!!???」
海斗はベッドから転げ落ち後頭部をぶつけた
「おいおい大丈夫か?」
それを見ていた永時は笑いながら心配しているようだ
「なんでお前がここにいるんだよ...!」
「なんでって、窓が開いてて、まだ寝ているようだから、親友のよしみで起こしてやろうってな!」
「朝起きたら男が隣で座ってこっちみてりゃ誰でも驚くだろ! というかキモイ」
「ひっで~な」
永時は口をひょっとこみたいな形にして、むすぅ~っとしている
時間は8:50 学校は9:40から始まる
「まだ時間はあるな」
「飯でも作ってやろうか? お前料理できないだろ」
永時が挑発気味に話してくる
「インスタントで間に合ってるからいいんだよ」
「ケッ こういう時は甘えてお願いすりゃいいんだよばーか」
そういって永時は買ってきたのか家から持ってきたのか、手に提げていた袋から材料を取り出し台所に向かった
9:00 テレビをつけていなかったはずだが TVから音声が聞こえる
TVだけじゃない、携帯やパソコン いろいろな電子機器から音声が聞こえてきた
「ハ..ハ..ハジ..ハジメマ..シテ」
「TVの調子悪いのかー!?」
台所から永時が聞いてくるのに対して TVを見ながら海斗は答える
「いや、そもそもTVつけてないんだけど、音声だけ聞こえてんだよね~」
「なんじゃそりゃ?」
気になったのか永時も一度料理の手を止めTVの前に集まってきた
「ハジメマシテ...トウトツデスガ...コノクニデ..イマカラ..ゲーm..ゲーム..ヲ..オコナイマス..」
「ゲーム?」
「ゲームノ..クワシイセツメイは..9:05ニ ゲームニ...ヒツヨウナ..モノ.ト...イッショニ...オトドケシマス」
その言葉を最後に音声は一切聞こえなくなった
「なんだ?イタズラか?」
永時は困った顔をしながら話す
「にしても大規模すぎないか...? 今ネットを見てると本当にこれ日本全ての場所で流れたらしいぞこの音声」
「まじかよ...」
いきなり聞こえてきた音声にとまどいつつ時間を見る
9:05
「音声通りならゲームに必要な物と説明書が9:05にお届けされるみたいだけど」
「おい海斗、お前...あんなの机に置いてたっけ?」
永時がふと指をさした机の上に白い箱が2つおかれていた
「これって...俺と永時のぶん?」
「まぁそう考えるのが妥当だろう」
「開けてみるか...」
二人は恐る恐る箱を開ける
中に入っていたのはスマホと思わしき端末と注射器?みたいな機械と説明書だった
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