18 いさかい
今まで私のやることなすことのそばには常に親がいた。
意に反することをして親が悲しむことを嫌って、原則親が何も言わないように気を遣っていた。その中で自分がどんどん怠惰になっていくのも感じてはいたが頼ってしまっていた。
しかし、それが限度を超え煩わしさを覚えるようになったのは、大学に入ってからである。
別に近場でもないのに学生会館に通ってくる。成人してもそれが変わることは無かった。
別に気にならない掃除も勝手に行って居座って。それでいて文句ばかり言われる。自分の事だけではなく様々なことだ。こちらの気が滅入るなんてお構いなしなのだ。我慢できなくなったら言い合いになって、お互い黙ってサヨウナラとなる。それで終われるなら歓迎だったしそれでよかったのだが。
一人っ子で産まれ、昔から一人で遊ぶのが好きだった。負けず嫌いが祟って、他人に及ばないものや対戦系のゲームは馴染めなかった。結局一人で黙々自己満足する時間を愛するようになった。それが人間関係を疎遠にする要因になったと思っている。
それが尾を引き、社会に出てみるともう何もかも煩わしく思うようになってしまった。それでいてどんどん我儘に、鈍感になっていくのを感じた。
一人で居ることを侵されるのを極度に嫌うようになってしまった。
そういう自分が嫌になり、ますますふさぎ込む。
不快なあらゆる事柄から逃避したがる。
それは勿論仕事に影響する。
そして暫くの休みを頂くと、心配した親はまた私のところへ赴くと言い始めた。
抵抗する。
拒絶する。
それではいけないと分かっているのだが、どうにもならない。
このままではいつまでたってもしがらみから解放されない。そう思い悩む。
親と言うものはそういうものなのかもしれないが。
こういうことがあるたびに、私は親になりたくないと、感じてしまうのである。
話さないと分からないと言われる。
なぜ話さないのか分かろうとしたいのだろうが、私から言えることといえば。
話したくないからだ、という拒絶の一言のみなのだ。
この気持ちを分かってくれとは言いません。
でも分かって欲しくないことを分かってもらうことって、不可能なんだなって、そう思ったのだ。
つれづれなるままに 北野坂上 @tamuramaro
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