7.失敗

書こうと思いながらいつの間にか年が明けてしまった。ここ数年は本当に早い。


思えば去年はまだ休学中の身であった。就職は決まったものの身の振り方がわからず、結局ぐうたら過ごしていた。今も大して変わり無いが、やはり金が入ってくるか否かは大きな差である。なんだかんだ楽しみながらこれからも過ごしていければと思う。


話は変わるが、9月頃、仕事である失敗をした。その結果、配属先上司に一方的に煙たがられた。一方、他の同僚を贔屓にしているのを見て、社会を知ったような気がする。人間関係なぞ糞くらえと、思いたいものだがどうにも引きずるものだ。自分の能力のなさにも落胆し、辞めようと突発的に思った。


でも一歩下がって考えてみた。


失敗しない人間っているのか?


間違いを犯さない人生は楽しいのか?


元来完璧じゃないと気に入らない癖に、すぐ出来るようにならないことはすぐ諦める性格であったが為に、努力というものが心底嫌いである。故に失敗もよくしたのだが、逃げ続け、ある時逃げられなくなり、途方に暮れ鬱になりながらも、治癒したのち(多分寛解はしていない…)就職を選んだ。


この選択も間違っていたのかもしれない。親のスネをかじるのも有りだったのかもしれない。でも自分は就職を選んだ。…これでいいのだ。理由なぞいらない。失敗から逃げ続け、地の果てまで駆けてもいいではないか。失敗から何も学ばなくたっていいじゃないか。たまには学ぶくらいで。首になったらその時また考えようではないか。ただ生活習慣くらいそろそろ改善しないとな…。


…気を紛らわせているだけである。しょうもない。でもこれくらいボケーとしていないと生きられないようだ。そういう自分を肯定するところから始めてみると、流されながら生きるのも存外楽しいものだと思うようになった。


社会は失敗を許してくれない。その時自分を許す存在は誰なのか。家族?友人?


…最後の砦は自分自身なのだ。どうか、失敗した自分でも肯定してやって欲しい。その先にある成功を楽しみにしながら、一日一日を過ごしていこう。でも、どうにも耐えられなくなった時、今立っている人生の道から逸れてもいいのだ。失敗をすると脇にたくさんの道が敷かれていることに気づかなくなりがちだからこそ、暗澹たる一本道から逸れてたくさんの可能性を見つけてみようではないか。


私も、今の道が私を肯定できる道なのか、もう少し散策しながら、生きていこうと思う。まだまだこれから。

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