2 過労について考える


 某D社の事件で広く知られることとなった過労死。その前にもさんざん言われてきて、今更どうした、という思いもありますが…。


 一般的に問題とされていることは、次の2つかと思います。


 長時間外労働等による肉体的疲労と、パワハラ等による精神的疲労。


 ごもっともです。自分の時間を睡眠すら削られれば体が持たないし、周りの人間に恵まれないことや、知らず知らず自分を責めてしまうこともつらいことです。


 しかし、一つ一つバラバラに対策しても、完全に解決することはないと思うのです。どうも対策というと原因を一つ一つ潰していこうとするのが日本人のようですから、仕方ないと言えばそうですが。


 何が言いたいかというと、疲労の感じ方には色々な要素が絡み合っている、ということです。


 定時で帰れる仕事でも頼れる人がいなかったり、周りに嫌味を振りまく人がいたりするとストレスがかさみます。他方、仕事自体には満足していても、あまりに労働時間が長くては、壊れる前兆に気づけないかもしれません。あるいは社訓等の擦り付けで、気づかぬうちに悪しき固定観念を植え付けられるかもしれません。そして、残念ながら、仕事は「やりたくないこと」の方が圧倒的に多いこともあるでしょう。趣味だけやって食えるならば誰だってそうしたい。寝るだけでいいと思う人もいるかもしれませんね。


 ならば、やりたいと思える仕事が出来れば、疲労も溜まりにくいのではないかと思ったら、正解です。しかし、とっても難しいことです。繰り返しになりますが、やりたいことだけで食っていくのは難しい。


 ではどうすれば、やりたいと思ってくれる人を増やしていけるか…。それは、やる気が上がる職場を作っていくことかと思います。コミュニケーションが活発で、休む時はとことん休める。自分の意見要望をしっかり聞いてくれる。他にもいろいろ考えられるかな、書ききれませんね。


 とにもかくにも、良い環境作りを第一に考える企業が1つでも多くなることを祈るばかりです。しかし景気が良くなってそこに力を入れられる余裕が出来てからじゃないと…。ああ難しい。本当に。

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