エピローグ
エピローグ第1話 新学生会幹部会議、第1回目
旅行から帰った翌日。
早くも新学生会の会議が始まる。
まだ3月中で、場所も保養所だけれども。
「今年は攻撃魔法科と補助魔法科と両方を含み3人前後!5人まで位はOKかな」
「そうですわね。バランス良く各科がいる方がいいでしょう」
「募集の方法はどうする?やっぱりポスターとWebかな」
「昨年は1本釣りでしたけれど。あれは詩織先輩独自の未来予知魔法を使うのが前提の方法ですから真似はできないでしょう」
「何なら私と美雨とで予知魔法を編み出してみても良いですわ。多分出来ますわよね、美雨」
「ええ。原理はわかっています」
「洒落にならないからヤメテ下サイ」
この2人なら本当に開発しかねない。
「あと、ポスターは案をいくつか作ってきましたわ。
まずは第1案、『愛の学生会編』ですの」
沙知先輩がニヤニヤしながら紙を3枚程出す。
ちょっと見てわかった。
これはあかん奴だ。
「よくもまあ集めたな、こんな写真」
典明があーんして美雨先輩に御飯を食べさせて貰っている写真。
ソフィー先輩がロビー先輩に膝枕してもらって頭を撫でられている写真。
愛希先輩と僕がお互い寄りかかって飛行機で寝ている写真。
そして極めつけは内部で『事後写真』と呼ばれる凶悪な写真だ。
修先輩を挟んで由香里先輩と香緒里先輩が同じベッドで同じ布団に入って写っている写真。
しかも3人とも寝ぼけ顔。
更に由香里先輩と香緒里先輩がピースをしているという状態。
一応寝間着は着ているようだけれども。
「露天風呂活動中の写真もありましたが、さすがにそれは自粛しましたわ」
それはそうだ。
「これはさすがにアウトでしょう」
「学生会活動が禁止になるデス」
まあネタとして持ってきたのだろうけれど。
「そう言われるとは思ったので第2案も作りましたわ」
今度は一見まともだ。
魚祭りの様子。
学園祭で飛行して現場に向かうルイス先輩。
学生会室で会議をしている様子。
そんな感じの写真だ。
しかしよく見ると標語がマズい。
『学生生活に彩りを!そしてもっとマリファナを!』
おいおいおい。
「沙知、この標語はさすがに……」
愛希先輩も気づいたようだ。
「あら、私としたことが、ついうっかりして下の句まで付けてしまいましたわ」
「下の句って何ですか」
碌な答は返ってこないと思う。
でも一応聞いてあげよう。
「よく色々な俳句に『それにつけても金の欲しさよ』なんて付けたりするじゃないですか。それとおんなじでいろんな標語に付けるおまけとして、60年位前に流行ったらしいですわ、アメリカあたりで」
「マリファナは私の知っている限り中立で信頼すべき分析や評価があまりありません。なのでこれは控えた方が賢明かと思います」
「というか警察当局に睨まれると思いますよ」
美雨先輩と典明の意見の違いがそれぞれ微妙。
「そんな訳で仕方無しの第3案ですわ」
今のポスターから標語の問題部分を削除して形を整えたものだ。
というか絶対ネタとして前2つは出しただろう。
皆それはきっとわかっている。
沙知先輩はそういう人だ。
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