第265話 口約束の有効期限

 結局そんな感じで。

 沖縄旅行中はずーっと食べたり料理作ったりしていたような気がする。


 その翌日の水曜日も観光でおきなわワールド行って。

 鍾乳洞を見て。

 沖縄の文化っぽいのを見学したけれど。

 帰ったら今度は近くのスーパーと市場をはしごして食材仕入れ。

 ついにテラガーを3枚仕入れて調理したりとか。


 木曜日はもう1日中買い出し。

 前に理奈先輩と沙知先輩が行ってお勧めだという場所へ。

 新都心のショッピングセンターに行って。

 缶詰やパウチパックとかの食材を大量に買ったりとか。


 ついでに見つけた某店で購入したのが釣り道具。

 沖縄と聟島は気候的に似ている。

 だからここで釣り道具を仕入れておけば。

 島でちまちま釣りをするには便利だと思ったのだ。


 竿も購入。

 仕掛けも大量に購入。

 愛希先輩と稼いだエアボードのもうけをここぞとばかりに投入。

 まあそう言ってもせいぜい5万円位なんだけれども。


 なお釣り道具やレトルトや缶詰は、愛希先輩の魔法で保養所へと直送した。

 愛希先輩、杖があれば沖縄往復も余裕らしい。

 ずいぶんとまた魔法を強化したものだ。


 でも倍率にすれば僕の魔力もなかなかだと思う。

 何せ最初が0だけに。

 うん、威張れない。


 さて、最終日の朝は早い。

 飛行機は8時25分発。

 6時に全員起床をかけて大掃除。

 まあ僕とか修先輩とかルイス先輩とかは全員起床前に起きていたけれど。

 持ち込んだ浴衣等はお土産一式と一緒に詩織先輩便で保養所へ送る。


 そして6時30分に全員ホテル出発。

 無事7時ちょうどには空港に着いて、更に土産を買った後、搭乗。

 あとはもう、羽田で乗り換えて島まで一気だ。

 15時前にはもう保養所だな。


 どうせ腹減った組が出るから着いたらすぐに食事準備かな。

 沖縄土産も色々あるけれどいつもの保養所メニューがいいだろう。

「沖縄料理は食べ飽きたのですよ」

 とか言われそうだしな。


「うーん、帰ったら今度は学生会会長か……」

 愛希先輩がそんな事を言っている。

 お、考えている考えている。


「まずは新人歓迎行事の挨拶ですね。頑張って下さい」

「朗人、他人事だと思って……」

 まあ挨拶は会長の仕事だから他人事。

 行事そのもののスケジュールもアンチョコも作成済み。

 だから僕自身は問題無い。


 それ以外の学生会の懸案事項と言えば、あれだな。

「あとは学生会の新人募集ですかね。今年は補助魔法科と攻撃魔法科を入れないと」

「そうだ、それもあったな……」

 愛希先輩、本気で考え出してしまった。

 ちょっと意地悪しすぎたかな。


「まあ手伝える事があったら何でもしますから」

「ん、本当か」

 愛希先輩がジト目で見ている。

「本当ですよ」


 愛希先輩がジト目からにやにやに変化する。

「何でもする、って言ったよな」

 あ、不味いかな。


「時と場合による、と追加して良いですか」

「さっきは制限無かったよな」

 完全に不味い。

 愛希先輩、調子に乗ってきている。


「あと有効期限も無しでいいんだよな。言っていなかったし」

 おいおいおい。

 勘弁してくれ。


 でもこの際だ。

 言ってしまえ。

「いいですよ。有効期限無しで」

 一生こんな関係でいられるのならいくらでも。


 こうして僕の2度目の社員旅行は幕を閉じたのだった。

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