第261話 今日も元気に食べてます

 沖縄の飲食店は安い。


 今日の夕食の食べ放題もそうだった。

 場所的にはモノレールの駅よりちょっと宿に近いあたり。

 だから悪くない場所だと思うのだけれども……


 ほぼ2階を貸し切り状態で使わせて貰った。

 そしてメニューにある食べ物が最初から全部食べ放題。

 一般的な飲み屋メニューから寿司から沖縄料理っぽいのまで。

 味はそこそこだけれども何よりメニューの豊富さが嬉しい。


 なので。

 色々食べたことがないのを注文してしまった。

 例えばふーちばー炒飯とか。

 ちきなーふーとかもずく天ぷらとかヒラヤチーとか。

 ちなみにヒラヤチーとは沖縄風お好み焼きの事だった。


 他にもブリトードッグとか握り盛り合わせとか。

 好き放題に注文して、ドリンクも飲んで。

 これで3000円しないというのは驚きだ。

 ドリンクも泡盛以外のサワーとかビールとかは込み料金らしいし。

 薊野魔法工業うちの連中異常なまでに食べたけれど大丈夫だっただろうか。


 そんな心配をしつつ、予想通りトドが量産された。

 目の前の公園の先のビルの谷間でトドは宿まで魔法移送。

 勿論愛希先輩も魔法移送され組に入っている。

 なお今日はアルコールは若干控えめ。

 明日のドライブがあるからだ。


 そんな状況下でも夜のお買い出しはもちろん決行。

 近くのデパートの地下1階食料品売り場が22時までやっている。

 どうしても宿で宴会しないと気が済まないらしい。


「今日の夕食も良かったんだけれどさ。何か昨日や一昨日の料理の方が何となく美味しくてさ」

「あ、それわかる。食べ慣れているせいもあると思うんだけれど、やっぱり朗人の料理美味しいよね」

 なんて言われると悪い気がしない。


 だからついつい。

 宿へ帰ってまた色々作ってしまう。

 しっかり詩織先輩が買い出しをしているし。


 そんな訳で今日は沖縄そばではないラーメンを用意。

 豚胃袋は初日に作ったガツ刺しを作れという事だろう。

 そしてこの車麩と人参とゴーヤとは……ふーちゃんぷるだな、了解。

 そんな訳で結局料理を開始。

 トドだった筈の愛希先輩等も起き出してくる始末だ。


 更に〆のラーメンが終わった頃。

 詩織先輩がオキコパンとかぐしけんとかの菓子パンとかを追加。

 それでもまあ、朝があるからという事で何とか1時には閉会した。

 厳密には修先輩が実力行使で閉会させた。

 食べている途中のもの以外全部を工作魔法で強制的に片付けて。

 さすが大番頭。

 たまにはこういう強制措置も辞さないわけか。


 ◇◇◇


 そんな訳で翌朝8時前。

 20人全員で無事近くのレンタカー屋に到着。

 車は大2台、小1台と借りているそうだ。


 メインの運転者3人が色々やっている間に適当に別れた結果。

  ○1号車 由香里先輩、翠先輩、朱里先輩、風遊美先輩、美南先輩

       車は背の低い7人乗りワゴン

  ○2号車 香緒里先輩、ジェニー先輩、ルイス先輩、詩織先輩、理奈先輩、

       沙知先輩、美雨先輩、典明

       車は背の高い8人乗りワゴン

  ○3号車 修先輩、ソフィー先輩、ロビー先輩、愛希先輩、エイダ先輩、

       青葉、僕

       車は背の高い8人乗りワゴン

となった。


 なお車を借りた後返すまでの間は、全て運転手と乗員に委ねられている。

 大雑把には美ら海水族館へ行くという目的がある。

 でもそれすら無視していいとの事。


 更に修先輩の注意に、

「カーナビの履歴機能は切っておいてね。万が一のために」

なんてのがあるのが気になる。

 各車両に車ごと移動魔法を使える魔法使いが最低1名は配置されているし。


 そんな感じで車は出発。

 3号車は修先輩の淡々とした、どちらかというとゆっくり目の安全運転だ。

 ちなみに助手席はロビー先輩。

 これは単純に体のサイズ。


 2列目はソフィー先輩と愛希先輩とエイダ先輩。

 3列目が青葉と僕。

 これも体のサイズの問題。

 女性陣で一番大きめなのが青葉だから。

 今はエイダ先輩よりちょっとだけ青葉の方が大きい。


 きっと2号車だと助手席は典明なんだろうな。

 あそこは他の女性陣もルイス先輩も同じ位だから。

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