第253話 遅い朝食
美雨先輩と典明は夜21時頃到着。
ステーキ食べて散歩してスイーツ食べて帰って来たとのこと。
大先輩一同は夜1時過ぎに到着。
荷物の到着という感じで玄関先に出現。
要は食べ過ぎと飲み過ぎで動けなくなったそうだ。
飲み過ぎていて歩けない状態でも異空間移動魔法には影響ないらしい。
宴会は更に続く。
ルイス先輩だけはこっそり離れたベッドで寝ているけれど。
悪戯書き防止のマスクをして。
食べ物が少なくなり始めたなと思ったら。
詩織先輩か愛希先輩が何処からか仕入れてくる。
「那覇は24時間営業のスーパーが多くて楽なのですよ」
とは詩織先輩の弁だ。
当然僕がそれを調理。
そんな繰り返しで。
外が明るくなり始めた午前4時になってようやく。
皆で〆のソーキそばを食べて就寝。
なお沖縄そばだけで3回は作ったような気がするのは気のせいだ。
1回は沖縄そばを使った焼きうどんだった気もするけれど。
そんな訳で僕が起きたのは午前11時。
まだ皆さん就寝中。
早寝早起きのルイス先輩だけは既に出かけている。
部屋の中は酷い。
いや、一見綺麗に見える程度には片付けてはある。
毎度お馴染み修先輩の魔法で。
ゴミも燃えるゴミはしっかり処分した。
愛希先輩お得意の超高熱完全燃焼魔法で。
それでも残っているワインとビールの空き瓶。
分解し切れていない食物ごった煮の臭い。
寝る部屋がリビングと分離されているのがせめてもの救いだ。
さて。
窓を開けて空気を入れ換えて。
そして僕は昨日理奈先輩にお願いされた朝食作りに取りかかる。
基本はポーク卵焼きおにぎり。
空港の売店で買ってきた見本はきのう見た。
厚切りのランチョンミートと甘い卵焼きがおかずのおにぎりだ。
ランチョンミートの塩味と卵焼きの甘さがいい感じ。
おかずはおにぎりの中に入れずにサンドイッチのように挟む。
同様にささみかつとか、油みそとか、沖縄天ぷらのおにぎりも作る。
材料はのりまで含めて全部用意してあった。
昨日の買い出しといい、さすが理奈先輩と沙知先輩。
無駄IQの高さは伊達じゃ無い。
ちなみにおにぎりも1個見本を作れば魔法で量産可能。
最初に魔法で魚を捌いたときと同じ方法だ。
ロビー先輩が教えてくれたあの魔法、色々応用が利いて便利。
何か料理魔法ばかりとんでもなく進化している。
ちょっと前の僕なら気にしていたところ。
でも今はもう気にしていない。
これもまた工作魔法のバリエーションだと思うことにしている。
さてと。
そんな感じでおにぎりを100個近く量産したところで。
狙ったように皆様ぞろぞろと起きてくる。
スープ代わり&スパモン教徒の為に沖縄そばも用意。
昨日捌いた魚の残りでしっかり出汁とったので昨日作った奴より美味しいだろう。
ソーキはあえて魔法でちょい揚げたアジアン風。
本式ではないがジェニー先輩はこれくらいパンチがあるのが好きだから。
やっている事は保養所と全く同じ。
でも食材と環境が変わるとこれも楽しい。
ぞろぞろ起きてきた魔女の皆様のスタイルは寝間着代わりの聟島温泉浴衣も。
また詩織先輩が持ち込んでしまったのだ。
着慣れていて楽だというので結局皆愛用している。
「あれ、ルイスがいないのです」
「ルイス先輩は……首里城を散歩中ですわ。まわりに人目はないようですわ」
沙知先輩、いつもと違う場所でも魔法は普通に有効らしい。
「なら呼び寄せるのですよ」
その詩織先輩の言葉で。
ルイス先輩が玄関に強制送還される。
先輩は一瞬だけあちこちを見回したが、すぐに何が起きたか気づいたようだ。
さすが慣れている。
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