第251話 小宴会のはじまり
うん、愛希先輩にしてやられた。
僕のストライクゾーンに誘い込まれてしまった。
つまり購買欲を抑えきれずに色々買い込んだという訳だ。
魚やエビは色々あったけれど我慢した。
でも豚の胃袋はつい買ってしまった。
そして惣菜が何と100円からあったので、ついつい色々買い込んでしまった。
弁当類も安いので色々と。
切り干し大根の煮物とか青菜炒めとかジーマミー豆腐とか豚ピーマン炒めとかフーチャンプルとか。
どんな味付けで食べているのかを知りたいし。
他にごま油とか塩とかネギとか買って宿へ。
惣菜店のあるあたりから宿はすぐだった。
これは楽しいかも。
いや、まずいかも。
宿は外から見ると今ひとつ。
でも部屋の中はいい感じ。
広くて明るくて使いやすそうだ。
こっちの区画は4DK。
つなげて使える6畳和室2室、同じくつなげる4.5畳和室2室、リビングダイニングという作り。
もう1つ借り切った区画の方が広いけれど、こっちが使いやすそうだとの事だ。
早速キッチンを借りる。
キッチンも4口のガスコンロ等そこそこ設備はいい。
そんな訳でまずお湯を沸かす。
ネギを切り、沸騰したお湯に塩と豚胃袋入れて茹でる。
火が通ったらざるに開け、流水をかけながらガシガシ洗ってぬめりを取る。
あとは細長く小さく切って塩とごま油とネギ入れてかき混ぜながら味調整。
沖縄風ではないけれど、つまみ用ガツ刺完成だ。
どうせ皆でつまむだろうから大量に仕込んだ。
ぎっちりボール1杯分。
肉の重さにして2キロ分だ。
「取り敢えず、簡単に食べましょうか」
「待っていたのですよ」
あれ、いつの間に詩織先輩が。
ルイス先輩が横で苦笑している。
うん、きっと食べ物の気配を感じたとかいう奴なんだろうな。
そんな訳で修先輩、香緒里先輩、ルイス先輩、詩織先輩、愛希先輩、僕とで軽く食べ始める。
うん、久々にガツ刺作ったけれどいい感じに出来た。
内臓肉は特区には無いから作らなかったんだよな。
あと買ってきた惣菜もいい感じだ。
「何かこれ、酒が進みそうな味なのですよ」
詩織先輩はガツ刺しがお気に召したらしい。
「詩織はまだ飲める年齢じゃ無いだろう」
「気分はオリオンビールなのですよ」
そう言ってさんぴん茶とかかれたボトルを飲んでいる。
「まあビールは僕と由香里姉以外は苦手だけどね。みんな甘い酒の方が好きで」
「それにしても風遊美先輩、なんでああ飲むようになったんでしょうね」
「明るい飲み方だし、日常的に飲んでいる訳じゃ無いから大丈夫だろ」
「煮物の味がちょっと違う気がするのです」
「砂糖が違うか、それとも隠し味の泡盛のせいかどっちかでしょうね」
愛希先輩はコメントも何も言わずに食べまくっている。
うん、平常運転。
「皆はどうしているのかな」
「OB組は飲み歩くから遅いと思うよ。北米組は途中のアニメイトで時間食っているんじゃ無いかな。他は色々穴場を攻めていそうだ」
「去年はどうしたんですか」
「場所がここよりもうちょっと先でね。国際通りをずっと進んだ終点の近くで。近くにスーパーがあったからそこで買い出ししていたな」
お、いい情報を聞いた。
後で行ってみよう。
そう思ったところで。
「どうもー、着きましたわ」
大量に買い物袋を抱えた2人組が現れた。
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