第250話 那覇到着!

 そして結局あまり下調べも出来ないまま。

 午後4時ちょっと前。

 僕達は県庁前という駅でモノレールを降りた。


 空港からはみんな行動はばらばら。

 修先輩と香緒里先輩の2人はチェックインのために宿直行。

 他はあちこちふらふらしながらのんびり行こうという感じだ、


 僕は

「まあ任せとけよ」

と愛希先輩が言うのでついていくことにした。

 今回は美雨・典明組とも別行動なので2人である。

 尾行者がいなければだけれども。


 さて、愛希先輩はモノレール駅の階段を降りてほんの少し歩いて。

 前のビルにある青い看板のアイスクリーム店へいきなりイン。

 早すぎるだろ。

 そう言いたいのをなんとかこらえる。


「やっぱり沖縄来たら最初はここだよな」

 仕方ないので僕も入る。


「シングルで塩ちんすこう1つと、ジュニアのトリプルでブルーウェーブ、ショコラクッキースワール、ストロベリーチーズケーキ。どっちもカップで」

 愛希先輩、僕が考える前に僕の分まで注文した。

 そして出てきた2つを持ってテーブルへ。

 そして僕に白い方を、自分は3つ入った方を置く。

 3つの方は1つ1つがちょっと小さめだ。


「まあお約束はそっちの塩ちんすこうなんだけどさ。私の気分はトリプルだったんだ。食べようぜ」

 という事で食べ始める。


 あ、悔しいけれど美味しい。

 甘しょっぱくて後味がさらっとしていて。

 ハーゲンダッツのクッキー&クリームより好きかもしれない。


「確かに美味しいですね」

 仕方ないが認めよう。

「だろ。最初はやっぱりそれなんだよな」

 愛希先輩はちょっと自慢げ。

 確かに昨年来ているだけのことはある。


 取り敢えず少し満足して後、モノレールと反対側の通りへ。

「これが国際通り。まあ観光客向けだけど結構面白いんだ」

 というので歩いて行く。

 確かに観光客に向けた派手派手な作りの店が多い。

 お土産店もそこここにある。


「店によって結構値段がちがうからさ。見てみると面白いよ」

 確かに同じ位のシーサーでも全然値段が違う。

 同じモノなのに値段が違う事も多い。

 なるほどな。


「それで目的地は」

「まずは市場。色々と素材を見てもらいたいしさ。1階が海産物とか肉中心に店が並んでいる。あと反対側に抜けると惣菜のテイクアウトの店が並んでいるから」

 さすが愛希先輩。

 僕の興味の方向性をよくわかっていらっしゃる。


 ドンキホーテの先を右へ。

 市場本通りという通りらしい。

 いわゆる商店街と言えばいいのだろうか。

 中は泡盛の店だのフルーツジュースの店だのでごちゃごちゃしている。

 歩行者しか入れないタイプの屋根付き商店街だ。

 アーケード街みたいなものだと思っていいと思う。


 しばらく行くと右に『牧志公設市場』といつ建物が見えた。

「ここの建物?」

「そう。この中」

 愛希先輩は建物の角を少し行った先にある細い入口から中に入る。

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