第243話 ハイキングの結論
典明は出てきたおみくじを読んでいる。
「小吉か。まあ運動不足というところは当たっているな。勉学は慢心に注意、見直しは確実にか」
「何か2人とも、微妙に当たっていますわね」
確かに。
面白そうなので僕も挑戦。
全体は吉。
恋愛は順調。
勉学は地道な努力が実を結ぶ。
健康は夜更かしに注意。
金運はまあまあか。
吉だけあって悪くはないな。
「どうだった?」
と愛希先輩がやってきたので交換してみる。
うん、愛希先輩のも悪くない。
まあさっき理奈先輩が読んだ通りだけれどさ。
なんやかんやで全員がおみくじに挑戦した。
奈津希先輩が大吉を出し、沙知先輩が凶を出して。
おみくじを結ぶ場所があるので皆で結ぶ。
ついでにその横の絵馬奉納場所も見てみる。
絵馬と一緒に南京錠やら色々下がっていたりする。
でも説明書きによると別にOKだそうだ。
自分の流儀でお願い事を下げればいいとの事。
確かに小さいけれどなかなかいい神社だ。
良く出来ているし何か色々と
と、轟音が近づいてきた。
「2便の飛行機だね」
「そうか、もうプロペラ機じゃないんだ」
「ついこの前からよ」
「値段は変わったのかな」
「1000円ちょい値上がりかな。でも30分早くなったみたいよ。本数増えたし」
ほっそりした飛行機が降りてくる。
滑走路が近いのでなかなかの轟音。
他に海上自衛隊の4発ジェット1機とヘリコプターが2機が駐機中。
自衛隊の方は僕が島に来た4月には既にジェット機だった。
やっと旅客機もジェット化したという事か。
ただ滑走路が島の限界近い長さなので、これ以上大きい飛行機は無理だろうな。
「さて、帰りは今の道を戻るのが最短だけれどどうする?」
「拙者、登り坂は苦手でござる」
「ならちょっと遠回りだけれど工業団地の手前経由で帰るか」
という事で行きとは違う道で。
神社から空港脇の道を歩き、工業団地の一番北側の道をバス道へ。
がやがや話しながらゆっくり歩く。
「典明は少し運動した方がいいです」
美雨先輩のその発言をきっかけに話の内容がそっち方向へ。
「修先輩も運動不足だから一緒に連れ回すのです」
「土日は一応ジョギング参加しているけれどな」
典明の弁明。
「ジョギング軟弱コースはもっと距離伸ばした方がいいかもな」
と奈津希先輩にすら言われてしまう。
まあ奈津希先輩はジョギング最強コースで土日は10キロ走っているけれど。
「朱里先輩から苦情が来ますよ」
「朱里先輩は必要あればいくらでも魔法ドーピングできるからなあ」
典明の言い訳はあっさり返される。
「そんな訳で取り敢えず修先輩、ジェニー先輩、典明は特訓の必要があるのです」
「やめてください」
今の飛行機の客を乗せたバスが横を走り抜けていった。
ここからでも歩いて20分もすればいつもの保養所のマンション。
さて、帰ったらまたテスト勉強するか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます