第220話 5,000円以下です材料費は

 愛希先輩はルイス先輩から。

『ダッチ-オリジナルズ』のビスケット類やレモンカード等の詰め合わせセット。

「皇太子が作ったオリジナルのオーガニック食品ブランドのセットだ。日本の味とはちょっと違うが試して欲しい」

 ああ、やっと真っ当なプレゼントが出た。

 しかもなかなか美味しそう。


 理奈先輩はエイダ先輩から青色のサファイアと思われる石のイアリング、ネックレス、指輪のセット。

「どうかしら」

 と言ってつけてみている。

 なかなか似合っている感じだ。


 ロビー先輩は詩織先輩から自転車用のようなショルダーバック。

「これはこの物差しを真っ直ぐ入れてみれば真価がわかるのですよ」

 そう言って詩織先輩はどこからか1メートルの竹尺を取り出す。

 ロビー先輩がその竹尺をバックに真っ直ぐ入れると……

 どう見ても入るはず無いのにあっさり中に入ってしまう。


「これはどうなっているデスか」

「魔法の応用で、奥行きが1.73倍程度多いのですよ」

 何だそれは。

 四次元ポケットか。

「重さの低減は無いのですが、量が入るのでロビー向きなのです」

 という結論らしい。


 そして何故か美雨先輩を飛ばして沙知先輩。

 これは青葉から人工ルビーと思われる赤い石のイアリング、ネックレス、指輪のセットだ。

「どうかしら、これ」

 怪しく似合っている。

 今の服装がバニー系だけに余計怪しい。


 そしてエイダ先輩は沙知先輩から。

 指輪、それもこれは……

「ダイヤモンド、間違いない」

 修先輩が断定。

 かなり大きい石のダイヤの指輪だ。


「これ、まさか……」

「そう、魔法で作ったの。結構大変だったわ」

 沙知先輩はそうあっさり言ってのける。


「でも確か、ダイヤは魔法で作るのは難しいって……」

「オスカー先輩のテキストにはそうありましたけれどね。圧力容器を専用に作ってその中に集中して魔法で高温高圧かければ何とか出来ましたわ。まあ美雨と共同研究したのですけれどね」

 2人で工房にいたのはそんな作業のためだった訳だ。

 しかしオスカー先輩のテキストを読んだだけでそんな応用まで考え出すとは。

 相変わらずあの2年生2人は能力が高い。


 さて、僕のは。

「自転車デス。魔力によるパワーアシスト付デス。シャフトドライブのギア8段変速デス。素材と設計に拘ったので重さ8キロです」

 おいおい。

 そんな自転車市販だとウン十万するだろう。

 でも非常に便利そうなのでありがたく貰う。


 典明はソフィー先輩から革製のカード入れ。

「一応自作よ。大事にしてね」

 確かに買うと高そうな、いい感じの革を使っている。


 そして青葉は僕の作ったペンダント型のポケットツール。

「凝っているわね。ペンダントかと思った」

「ナイフとはさみは魔力仕様だからうかつに触らないで」

 一応そう注意しておく。

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