第175話 メニュー追加のお知らせです
そして相談、ハツネスーパー偵察、更に相談だの色々あった結果。
悲しいことに屋台のメニューがもう1品増えてしまった。
そして学園祭期間中の僕のシフトもかなり増えてしまった。
時間的にはそれほど変わらないけれど。
毎日、11時から11時30分まで。
つまりその間に今と同様にカオパットを作れという事だ。
なお販売時には今の1人前の半分の量で充分だろうという意見になった。
確かに学生会の1人分は通常の倍だしな。
なのでとりあえず初日は今回と同じ量でトロ箱1個、40人分を調理。
それで様子を見て、材料を買い足すなりするらしい。
既に毎日20人分位は作れるように材料をハツネスーパーに発注済み。
生パクチーもホアンマンの実家で買って国際便で急送してくれるとの事。
屋台も既に例のトロ舟が載るように改造してある。
というかホアンマン、色々と有能だ。
魔法で工作も出来るし何カ国語も話せるし。
僕の方は何かこの学校へ来て、料理ばかりしているような気がする。
そのうち魔法工学では無く魔法料理学が専門になりそうだ。
うん、洒落にならなすぎて笑えない。
この鬱憤は晩飯調理で晴らすことにしよう。
料理ばかりしている鬱憤を料理で晴らす事に自分でも疑問は感じる。
ただ僕の鬱憤晴らしの方法が料理だからしょうがない。
文句を言ってはいるけれど料理そのものは好きだしさ。
例え大量高速調理でも。
という訳で本日は土曜日なので寮ではなくて保養所の方へ帰る。
「ただいまー」
と声をかけて大広間へ。
そして取り敢えず文句を言いたい相手を発見した。
「詩織先輩、よくもはめましたね」
詩織先輩は悪びれずににやりと笑う。
「カレーや焼きそば以外にガッツリ系主食の出店は少ないのです。欲を言えばすっぱ辛いスープも一緒に売り出して欲しかったけれど我慢したのです」
そこまでやられてたまるか。
「でも取り敢えず40食程度。だから1回作れば終わりますけれどね」
「そううまく逃げられると思わない方がいいのです」
詩織先輩は悪そうな笑顔のまま続ける。
「パクチー以外はハツネスーパー常備の材料だけで作れるのはすぐばれるのです。5分あれば40人分を調理できるのも確認してもらったのです。
これで運悪く売れ行きが好調だった場合、売れきれのまま放っておける程悟りきった人間は少ないのです」
あ、詩織先輩、僕にとって縁起でも無い事を言っている。
「大丈夫でしょう。11時半から発売だし、特区は女性客が多いからそこまでガッツリ系が売れることもないと思いますよ」
「甘いな朗人、甘い物とガッツリ系は別腹だぞ」
あ、愛希先輩まで絡んできた。
「カオパットが出過ぎてパクチーも足りなくなり、チキンオムライスの出番になるかもな。チキンオムライスは仕上げも全部朗人がやる必要があるから逃げられないぞ」
チキンオムライスとは、要は中身チキンライスのオムライスだ。
やはり魔女の空腹を満たすべく間食用に僕が開発した高速量産型メニューである。
材料はパクチーとナンプラー以外はほぼ同じ。米が日本米になる程度。
ただ仕上げに卵焼きで包むところまでが僕の魔法依存。
つまり仕上げまで僕がやらなければならないという事だ。
「頼むからそんなメニューの噂を流さないで下さいよ」
出店専従員にされてしまう。
「増産させるのは簡単なのです。取り敢えず第4次ロボット大戦のスタッフ全員に昼食用として買っていけば増産せざるを得ないのです」
「お願いだからやめてください」
ロボット大戦とはその名の通り、ロボット同士の軍団が戦うイベントだ。
視聴者参加型のテレビ番組としてアメリカでやっているものの出張版だそうだ。
元々詩織先輩制作の飛行型パワードスーツで戦う番組があり、それが発展していったらしい。
今回はロビー先輩の飛行機械や青葉制作の飛行型簡易外骨格も出して、オスカー先輩設計の人工知能機械軍団と戦うのだそうだ。
なかなか人気があるらしく派生映画も既に2本公開、3本目制作中とのこと。
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