第138話 北海道最後の夜
翌日は
○ 釧路和商市場で勝手丼を朝食として食べて
○ 花咲港わきのカニ直売所で花咲ガニを食べて買い
○ 稚内で鉄道駅直近の道の駅にバスを止めて付近を観光し
○ ついでに日本最北端の宗谷岬に行った後
○ 礼文島で遅い昼ご飯としてウニ丼を食べて
○ おびら鰊番屋という道の駅で昔の鰊番屋の建物や特産品見学をして
まだ17時で夕食も食べていないのに貸別荘に戻ってきた。
そして沙知先輩から説明。
「本日は毎回お馴染み買いだしの日です。これから近所のスーパーを回ります。そこで夕食で食べたいものを買って下さい。予算は1人2000円までです。
今回は3年生までが詩織先輩引率で、4年生以上が風遊美先輩引率で回ります。
廻るスーパーは3箇所。地元系2と激安系です。
バスを降りたらそれぞれ集合してお買い物をはじめて下さい」
つまりスーパーを3つ廻るから晩ご飯に食べたいものを買ってこいという訳か。
なかなか面白いかもしれない。
自分が住んでいたところ以外のスーパーなんて行く事はまず無いし。
◇◇◇
ザンギと呼ばれる鶏の唐揚げが大量に並ぶ。
そして大量の寿司パック。
買ったものがかぶりまくった訳だ。
理由はとっても簡単。
この2品が安かったのだ。
ただでさえ島と比べると安いのに、夕方で特売になったり30%オフになったり。
不味い訳では無く、結構美味しい。
ただ寿司パック20個とかザンギのパック10個とか並んでいると笑うしか無い。
そして野菜は極端に少ない。
誰も買わないだろうなと思って僕が買って置いたアスパラガスとトマトは瞬殺。
アスパラは茹でて切っただけ、トマトは切っただけなのにである。
もう少し買えばよかったかなと思っても後の祭りだ。
ちなみに僕が買ったのはアスパラとトマトの他、ホタテ、椎茸、じゃがいも。
ホタテと椎茸とジャガイモは冷蔵庫に入っていたバターで焼いた。
そして並べたと同時に消えていった。
他にもソフィー先輩の札幌味噌バターラーメンとかも消えていった。
港で買った花咲ガニは殻しか残っていない。
生イカで作った即席塩からは痕跡すら残っていない。
ロビー先輩が買ったハムも全滅。
そして残っているのは減ったとはいえザンギとパック寿司。
残りは寿司パック約10個分とザンギ5パック分。
うん、これはさすがに食べきれないな。
量が多いと言うより同じもの食べ過ぎで食傷気味って感じだ。
「朗人、残ったザンギと寿司を使って別料理を作れないか」
ついにルイス先輩がそんな事を言い出した。
うーん、仕方ない。頑張ってみるか。
ザンギ3パックと寿司6パックを持って台所へ。
まず寿司はご飯と魚を剥がして別物に。
そしてザンギを包丁で切り刻んでフライパンに投入。
冷蔵庫にあったラーメン用のネギを刻んでやはり投入。
フライパンが熱くなってザンギから油が出てきたらご飯投入。
要はチャーハン化して誤魔化そうという計算だ。
酢飯だがザンギの塩味と混ざればそれなりに別の味として感じるだろう。
味見して若干味を調整。
うん、まあこんなものだろう。
そして剥がした刺身はマグロやイカはちょっと味付けした醤油に通して。
そして他はそのままで別皿へ。
野菜が足りないのを刻んだネギで少し誤魔化して完成。
「これくらいですね、出来るのは」
という事で投入。
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